人は「明らかなデマ」とわかっていても強く影響を受けてしまう

psychology 2019/01/25

Point
■ゴシップ情報は、たとえ「デマ」だと分かっていたとしてもそのネガティブな印象を消すことはできない
■「〜らしい」といった信頼できない情報に対しても私たちは「感情バイアス」による強い影響を受けてしまう
■この事実を受け止め、ウワサ話などをする際には大きな注意をする必要がある

私たちが意識的、無意識的にかかわらず耳にしてしまう「ゴシップ情報」。その情報の信頼性は低く、ときには「明らかなデマ」と分かってしまうものもあります。

しかし、「Emotion」に掲載されたフンボルト大学ベルリンの研究者らの新たな研究により、私たちはゴシップ情報が「信頼できない」と分かっているときでさえ、そうした情報の影響を強く受けてしまうことが明らかになりました。

Clear judgments based on unclear evidence: Person evaluation is strongly influenced by untrustworthy gossip.

https://psycnet.apa.org/record/2018-65597-001

「〜らしい」には意味がない

ゴシップにはたいてい、決まり文句の「どうやら〜らしいです」や「伝えられるところによると」といった逃げのセリフが含まれていますが。これが人々の情報への信頼性を下げることに役立っていないことが分かったのです。

実験には56人のドイツ人が参加しました。実験の中で参加者たちは「知らない人の顔」の写真を見せられ、その人についての情報が口頭で与えられました。情報の種類は2つあり、1つはそれが「真実」であるとされるもの(例:「彼は部下をいじめていた」)、そしてもう1つは「信頼できないゴシップ」(例:「どうやら彼は部下をいじめていたらしい」)です。

その後、参加者にはその人物の評価をしてもらい、その際の脳波が測定されました。研究者が中でも着目したのは「遅い陽性波形(late positive potential: LPP)」と「早い陰性波形(early posterior negativity : EPN)」の振幅であり、両者はともに「感情処理」のプロセスに関連する指標になっています。

「感情バイアス」は強力

実験の結果、私たちは人をジャッジする際に、たとえその判断が信頼できない証拠に基づいたものであったとしても、強く「感情のバイアス」による影響を受けてしまうことが分かりました。

この結果は、私たちが「ゴシップ」や「ウワサ話」を扱う際には大きな注意が必要であることを示しています。つまり、誰かについてのウワサをするときに「〜らしい」といった言葉を用いたとしても、その情報のネガティブな印象を減少させることは難しいのです。

世の中はフェイク・ニュースにあふれており、何が「真実」であるのかが分かりづらい現代において、この事実はとても恐ろしいものです。すなわちあなたは、あなたが「そんな訳があるはずない」と思っている情報にも、無意識的な影響を強く受けてしまっているのです。

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reference: psypost / written by なかしー

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