火星探査機オポチュニティはもうダメかもしれない…最後の望み「季節風」も効果なし

space 2019/01/28
Credit: MARS EXPLORATION ROVER MISSION/CORNELL/JPL/NASA
Point
■昨年6月から音信不通であった火星探査機「オポチュニティ」に対して、数週間のうちに調査を継続するかどうかの判断が下される
■オポチュニティは太陽光を動力源としており、11月~1月にかけて吹く季節風がソーラーパネルの粉塵を払うことが期待されていた
■しかしそのようなことは起こらず、オポチュニティの復活は絶望的である

15年前の1月に火星に降り立ち、ミッションを続けてきた火星探査機「オポチュニティ」ですが、昨年6月から音信不通となり、いつ目覚めるのか分からない状態に陥っていました。

NASAのジェット推進研究所は、半年前からその復活を信じて策を講じていましたが、残り数週間の間にその調査を続けるか否かの「決断」をすることとなりそうです。

頼みの綱は「季節風」だったが…

昨年の6月に火星で前代未聞の「巨大な嵐」が発生。数カ月にわたって続いたその悪天候により、太陽光に動力源を依存しているオポチュニティは窮地へと追いやられました。エンジニアたちは昨年11月〜今年1月にわたって吹く「季節風」がオポチュニティのソーラーパネルの粉塵を払い、見事オポチュニティが復活を果たすことを期待していましたが、とうとうそんなことは起こらずに1月が終わろうとしています。

ほぼ同時期に打ち上げられたオポチュニティの「双子」的存在である「スピリット」は、2011年に火星の冬の日照不足で、ミッションに終止符が打たれました。当時、スピリットにも復旧作業が試みられましたが、オポチュニティに対してもすでに同じくらいの復旧作業が行われています。

その功績が消えることはない

このまま行くと、オポチュニティはもうダメかも…。しかし、たとえその活動が終わりを迎えたとしても、オポチュニティの功績が偉大であることに変わりはありません。5,000日以上を火星の上で過ごし、45キロメートル以上を旅して、ときにはオーバーヒートにより逆走することもありました。そしてオポチュニティが提供した情報により、火星の内部について多くのことが明らかになっています。

2004年にメリディアニ平原に降り立ってすぐ、オポチュニティは硫酸塩を多く含む砂岩を発見しました。それらの砂岩は、ラグーン(潟)のような環境で浅い沼が形成したものであると考えられます。そしてそれは、火星に「水」があったことを示唆するものであり、過去に「生命体」が存在していた可能性を示すものでもありました。

スピリットとオポチュニティのプロジェクトが発足したとき、そのミッションが「15年間」も続くと考えた人はほとんどいなかったでしょう。それもそのはず、NASAが当初想定していたオポチュニティの稼働期間はなんとたったの「3ヶ月」なのです。

 

ロボットと言えどもその仕事には必ず終わりがあります。十分すぎるほどに働いてくれたオポチュニティには火星の地で安らかに眠ることでしょう。いずれ人間が火星への移住を実現させたとき、オポチュニティとの再会を果たし、その功績が改めて讃えられることになるのではないでしょうか。

NASAが心臓を宇宙でつくろうとしている理由

reference: sciencemag / written by なかしー

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