固体であり液体でもある「超イオン化アイス」を作ることに初成功

chemistry 2018/02/08
Credit: Sciencealert

固体でもあり液体でもあるという全く新しい種類の水、「超イオン化アイス」というものが開発されたようです。

研究はカリフォルニアのローレンスリバモア国立研究所(LLNL)で行われました。測定に2年間、データの解析法の開発に2年間かかったといいます。

この超イオン水と呼ばれる新しい種類の水は、固体と液体の性質をあわせ持ちます。超イオン水の概念はここ数十年の間に存在していたもので、天王星や海王星のマントルに存在するのでは、と考えられてきました。しかし、今日まで実験で証明されてはいなかったのです。

研究者たちは、高圧化で作られた種類の氷と一連の強力なレーザーパルスにより、この超イオン水を作ることができました。この自然にはあり得ない温度と圧力によって初めて、この不思議な水を見ることができたのです。

水分子の3Dモデル

水の分子は2つの水素原子と1つの酸素原子からなり、V字の形をしています。冷やされると、分子間は弱い力で結合して氷となりますが、分子が整列する時に押し合うので膨れます。

超イオン水では、水分子内の原子の結合が強い熱で切断され、酸素原子の固体結晶構造が残ります。同時に、結晶間に水素の原子核あるいはイオンの流れが生じます。それによって、固体と液体が共存するのです。

まず、水を2つのダイヤモンド層に通すことで、地上の100万倍の圧力をかけます。すると、Ice VIIと呼ばれる特殊な氷ができます。この氷は常温でも固体です。この氷に100億から200億分の一秒のレーザー衝撃波を当てると、超イオン水ができるのに必要な極限状態を作れます。最初に高圧をかけることで、蒸発する前に氷を高温にできます。氷を光学的に測定すると、輝いて見える代わりに透明に見えました。つまり、材料の内で動き回っているのが電子ではなくてイオンであることがわかったのです。

実際に超イオン化アイスが存在することがわかったことにより、天王星や海王星の中心を外れた磁場を、マントルの中に超イオン化アイスの層を置くことで説明できるでしょう。また、極限状態での分子の動きがわかったことで、物質の持つ状態の多彩性についての理解が進み、新たな素材の開発に繋がるかもしれません。

 

via: Science Alert/ translated & text by Nazology staff

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