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虚無感に襲われた「ミレニアル世代」は宗教ではなくオカルトに走る傾向

culture 2019/01/31
Credit: Pixabay
Point
■ミレニアル世代は、オカルトで「人生の意味」を見出そうとする傾向がある
■親世代の「ベビーブーマー」は宗教によって信仰心を満たしていたが、個人主義化した現代において「ミレニアル世代」は一人でできるオカルトに傾倒する
■しかし「信仰心」の最大の強みは集団として結束することであるため、オカルトによって「信仰心」を満たすことはできない

「ミレニアル世代」とは、1980〜2000年の間に生まれ2000年代に成人を迎える世代の米国における呼称です。彼らは、長い歴史の中でも生産性の低い世代だと揶揄されることが多く、そのせいか、彼ら自身も実人生に意味が見出せなくなっている人も増加しているようです。

海外メディア「pjmedia」によると、ミレニアル世代はその空虚感を、オカルトや超常現象、スピリチュアルといったもので満たそうとしているとのこと。その思想自体の良し悪しは置いて、ではミレニアル世代がオカルトに熱中する理由とは何なのでしょうか?

New Book Explains Why Millennials Are Obsessed With Witchcraft, Astrology
https://pjmedia.com/trending/lack-of-meaning-driving-millennial-obsession-toward-witchcraft-astrology/

米国におけるミレニアル世代は、就職氷河期に突き当たった年代でもあり、日本では「氷河期世代」と言われることがあります。また、アメリカでは、麻薬などの違法ドラッグが流行した世代でもあり、刑務所からの出所後に定職を得られず、露頭に迷う「失われた世代」とも言われています。

こうして無気力に襲われた彼らは、人生に意味を見出せなくなり、「人生の意味」と深く関係した「信仰心」に踏み出すのです。しかし信仰心といっても、すべてが特別なことではありません。人類にとって信仰心とは、食べることや住む場所と同じくらい必要不可欠なもの。人類が地球上でもっとも強大な力を持つようになったのも、この信仰心のおかげだと言っても過言ではありません。

古来の信仰心とは、「神の概念」や「部族の掟」など、具体的な形として存在しないものを精神的に共有することでした。その共有によって、人類は多数の集団を構成する原始的な動物の群れの数を大幅に越え、一族や国家レベルの規模でのつながりを可能にしたのです。

ミレニアル世代は宗教には無関心

そして、ミレニアル世代の親世代である「ベビーブーマー(第二次世界大戦直後に生まれた年代)」が「人生の意味」を求めたのが、「宗教」でした。しかし、ミレニアル世代の3分の1以上は宗教に無関心であるという調査結果があります。その理由について、ノースダコタ州立大学のクレイ・ラウトリッジ氏は「現代の個人主義に原因がある」と指摘しています。

「宗教」のメリットは、集団の中で同じ一つの信仰心を持つということです。それによって、「社会的な結びつき」や「他者に対する道徳観念」の意識を向上させ、個人に対しても確たる目的を抱かせることができます。

しかし、宗教ブームも過ぎ去ったミレニアル世代においては、集団に属する機会もますます減少し、多くのことが一人でもできるようになってきました。パソコンやスマホなどもその潮流の一つでしょう。ラウトリッジ氏は「個人主義の時代においても、信仰心というのは失われない」と言います。なぜなら、信仰心は「人生における意味や目的」と直結しているからです。

個人でも信仰が自由なオカルト

そこで「ミレニアル世代」は、個人でも自由に探求できるオカルトの世界の中で、自分の未来を模索しようとし始めました。また、オカルトにおける黒魔術など、方法が具体的で詳細に記述されているのも、ミレニアル世代を刺激する一因となっているとのこと。

しかしながら、「オカルトで信仰心が満たされる望みは薄い」と同氏は言います。というのも、オカルトが示す啓示は、一時的なものに過ぎず、その答えは個人によって曖昧です。これでは社会的な倫理規範を得ることはできず、「信仰心」の根本的な強みは発揮されません。

人類の武器である「信仰心」によってミレニアル世代が結束するには、個人でも自由に信仰でき、かつ、ある程度集団性も持った新たな思想を模索する必要があるのでしょう。

 

reference: naturalnews / written & text by くらのすけ

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