男性の避妊に革命?!画期的な方法が色鮮やかな「カクテル」から導き出される

technology 2019/02/01
Credit : XIAOLEI WANG / 研究者にインスピレーションを与えたカクテル「Galaxy」
Point
■男性には女性が飲む「ピル」のように、中期的で確実な避妊方法が存在していない
■カラフルな層をなす「カクテル」に着想を得た新たな研究が、男性の中期的な避妊方法を開発した
■この方法は、ラットでは一定の成果を示したが、精管に注入する物質の安全性の確保などさらなる研究が必要となる

一時的な避妊方法として、女性は「ピルの投与」を選択することができます。しかし、男性側の避妊は、短期的なものは「コンドームの着用」、長期的(永続的)なものでは「パイプカット(精管切除)」といったように、間の「中期的」な方法が存在していないのです。

しかし、新たな研究がそれを実現させるかもしれません。「ACS Nano」に掲載された研究において、研究者らがヒントを得たのは「カラフルな層をもつカクテル」といった意外なものでした。

A Cocktail-Inspired Male Birth Control Strategy with Physical/Chemical Dual Contraceptive Effects and Remote Self-Cleared Properties

https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acsnano.8b06683

熱を加えれば層は「1つ」になる

南昌大学の研究者らがおこなったこの研究。彼らは、バーテンダーが作る色鮮やかな層をもったカクテルにインスピレーションを得ました。提供されたときのカクテルはキレイに層が分かれていますが、それを熱したりかき混ぜたりすると、レイヤーがなくなり、いずれ1つに溶け合ってしまいます。

研究者らは、その仕組みを男性の精管(精子を睾丸から尿道へと運ぶ管)に注入する物質に応用しました。つまりこれは、精子をブロックするための物質を「層」をなすように注入し、熱を加えればそれらの層が「1つ」になることで、精子のブロックを無効化してしまうといったアプローチなのです。この方法であれば、コンドームのように避妊が不確実でもなければ、パイプカットのように後戻りのできないわけでもありません。

精子をブロックする「4つ」の層

実験は、オスのラットを用いておこなわれました。ラットの精管には、続けざまに「4つ」の物質が注入され、層をなしました。1つ目は、精子の物理的なバリアとなるヒドロゲル、2つ目は、近赤外線で照射されたときに熱を発する金のナノ粒子、3つ目は、ヒドロゲルを分解し、精子を殺す効果もあるエチレンジアミン四酢酸、最後の4つ目は、2つ目と同じ金のナノ粒子です。

それら「4つの層」を精管に注入されたラットは、2ヶ月以上にもわたってメスを妊娠させることがありませんでした。そして、研究者らがラットに数分間、近赤外線を照射したところ、それらの層はミックスして1つに溶け合いました。その結果、オスはそれ以降子孫を残すことが可能になったのです。

研究者らは、物質の安全性を確保するためにさらなる研究の必要性があるものの、このアプローチには将来性があると語ります。つまり、ひょっとすると近いうちに、男性がコンドームを用いることなく、パイプカットもせずに確実な「避妊」ができる日がやってくるかもしれないということです。

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reference: eurekalert / written by なかしー

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