なぜか1年でサメによる襲撃件数が原因不明の激減! 研究者も頭を抱える事態

animals_plants 2019/01/31

Point
■サメによる襲撃件数をデータ化している「ISAF」によると、2017年から2018年のわずか1年間で、襲撃が激減していることが判明
■1950年代から2010年代まで、海水浴客は増加に伴って、サメ襲撃件数も増加していたため、この結果は驚くべきものだった
■ISAFの研究員によると、サメの個体数が減ったのが原因というよりも、ビーチ監視員の指導と市民の警戒心が高まったことが有力とのこと

一体サメに何が…?

「インターナショナル・シャーク・アタック・ファイル」、通称「ISAF」は、過去60年以上にわたって、世界のサメ襲撃件数をデータ化している機関です。

そのデータによると、ここ1年間でサメの襲撃が急激に減っていることが判明しました。ISAFによる詳細な報告は、1月28日付けで「Florida Museum of Natural History」上に掲載されています。

襲撃件数が激減!原因は?

ISAFの調査では、2018年に確認されている襲撃件数は全体で66件。前年度の襲撃件数は88件、さらに2013年〜2017年における平均は84件なので、短期間で大幅に減少していることが分かります。2018年のサメ襲撃による死亡者数は4名、年間平均はおよそ6名なので、死亡者数に変化はなかったようです。

研究者は、襲撃自体の数が激減していることを喜ぶ一方で、この結果に驚きを隠せない様子。というのも、ISAFのデータを年代ごとに見てみると、サメ襲撃件数は1950年代から2010年代にかけて4倍以上に増加しているからです。ISAFのデータでは、1950年代におよそ150件あった件数が、2010年代には700件にまで跳ね上がっています。ISAF研究員のギャビン・ネイラー氏によると「件数の増加は、海水レジャーの発展に伴い、ビーチに行く観光客や地元民の数が増えたことと比例している」とのこと。

襲撃件数が減った理由について、ネイラー氏は、サメ自体の個体数が減少している可能性を指摘しています。世界の中でもサメ襲撃件数がもっとも多いアメリカでは、2018年の襲撃件数66件の内、およそ半分の32件を占めています。そして、襲撃の主犯となっているのが、フロリダ沖に群れをなして生息する「カマストガリザメ(blacktip shark)」と呼ばれるサメです。

原因は海水浴客への警戒心か

ところが、「カマストガリザメ」はここ2、3年で数が減っていることが確認されており、その証拠に、フロリダにおける襲撃件数は、2017年の31件から2018年には16件まで下がっています。

しかし、ネイラー氏は「この結果から世界中のサメが減っていると考えるには証拠が不十分である」と言います。そうではなく、同氏は、よりポジティブな見方として、ビーチの監視員たちの安全指導が向上していることを挙げています。つまり、サメが大人しくなり人を攻撃しなくなったのではなく、人の注意力が上がっているというわけなのです。これは、観光客の増加に伴ってビーチ監視員の数も増員している事実からもうなづけます。

 

また、ISAFデータを見てみると、60年代に200件超あった襲撃件数が、『ジョーズ』の公開された70年代には150件ほどにまでガクッと下がっているのも面白いところ。これは、スピルバーグが人々の恐怖心を煽った結果かもしれません。やはり、サメ対策には、市民たちの警戒心が一番効果的なようです。

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reference: qz.com / written & text by くらのすけ

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