ガンを縮める極小「ナノロボット」が開発される

science_technology 2018/02/13
Credit: Pixabay

ガンをどうやって排除するかは、科学者にとっても大きな課題です。最近の実験で、極小のナノロボットを使って、血管をブロックすることでマウスの中のガンを飢えさせ、小さくすることに成功しました。しかもこれは、日本の伝統文化である折り紙に着想を得たものだといいます。

A DNA nanorobot functions as a cancer therapeutic in response to a molecular trigger in vivo
https://www.nature.com/articles/nbt.4071

Nature Biotechnologyに掲載された研究で、ガンの成長を制御するのにナノロボットが有効であることが示されました。マウスの乳がん、メラノーマ、卵巣ガン、および肺ガンにおいて、このロボットは血管からのガン細胞への栄養供給を遮断することができます。また研究者たちは、実際にナノロボットを使用して2週間の治療を行ったところ、ガン細胞が小さくなったとも報告しています。

このナノロボットは完全に自律的なDNAロボットで、あらゆる種類のガンに適用可能です。というのも血管からの栄養供給は、あらゆるガンの成長に必須であるからです。

折り紙は宇宙船から盾まで様々な分野にインスピレーションを与えていますが、「DNA折り紙」という技術もまた、折り紙に着想を得ています。「DNA折り紙」はDNA構造を使って、髪の毛の1000分の1の大きさのあらゆる形を作れる技術で、体内での薬の運搬や治療に革命を起こします。今回のナノロボットも、90ナノメートル x 60ナノメートルのDNA折り紙のシートからなっており、その小ささを活かし、ガンに栄養を補給する血管で凝血を起こす酵素を運べるのです。

Credit: Jason Drees, Arizona State University

従来考えられていたガン治療に使われるナノロボットの問題は、ガン細胞以外の細胞にもダメージを与えてしまうことでした。しかしこのナノロボットは、細胞を破壊する抗がん剤などを持たないため、より安全に治療できます。直接ガン細胞を攻撃する代わりに、栄養の供給を遮断することでガンを小さくし、殺すのです。

ナノメディスンの領域は日々成長する一方、人間への臨床試験には多くのハードルがあります。研究チームは、この研究を臨床テストに進めることを望んでおり、もし成功すればこの分野に革新をもたらすでしょう。

ガンの治療から体の狙った場所への薬の運搬まで、ナノロボット技術は日々躍進しています。

 

via: Futurism/ translated & text by Nazology

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