ポールシフトの前触れ? 北磁極が「加速」している

geoscience 2019/02/06

Point
■最初に観測されて以来、北磁極は動き続けておりその動きは加速している
■速い動きに対応するために、北磁極を設定するアップデートが前倒しで行われる
■地球磁場の減退や、南大西洋異常帯と合わせて磁場の逆転が近い可能性が指摘されている

いつから勘違いしていた?その北磁極はもうすでに北磁極ではない――

北磁極とは、地磁気が示す北極点のことです。この地球の磁北が、この数十年の間であまりに速く移動するため、以前に定めた点では正確な航行に必要な精度を保てなくなってしまったようです。

そこで今週、予定を1年前倒しにして新しい北磁極が定められました。

北磁極の重要性

北磁極は1年で55kmの範囲をうろうろ動いています。2017年には、日付変更線をまたいでカナダ北極圏を出てシベリア方面へと移動しました。

しかしこの絶え間ない移動は、スマホや電子機器の方位磁石にとってはとても問題です。GPSは衛星だけに頼っているため影響は受けませんが、航空機や船舶は磁北に頼っており、通常はナビゲーションシステムをバックアップするために使われています。

また軍も、ナビゲーションやパラシュート降下場所を定めるのに磁北に頼っており、NASAや連邦航空局、アメリカ合衆国森林局も磁北を頼りにしています。

原因は地球の外核の乱流か

これまでアメリカ海洋大気庁と英国が北磁極をアップデートしてきたのは、5年に1回の12月でした。しかし今回のアップデートは、磁極の動きが早すぎるため前倒しされたのです。

カナダ北極圏で最初に測定された1831年以来、北磁極は2300kmもシベリア方面へと動いています。しかしそのスピードは時速15kmから時速55kmへと、2000年以降跳ね上がっています。では、なぜそのような加速が発生しているのでしょうか?

原因は地球の液状の外核の乱流といわれています。鉄とニッケルが溶けた熱い海が地球の核を覆っていますが、磁場はその動きによって生まれています。

ポールシフトはいつ起こるのか

全般的に地磁気はどんどん弱くなってきています。科学者からは、「最終的には南北の極の逆転(ポールシフト)が起こるのではないか」という声も出ています。過去の地球を調べると、ポールシフトは数多く起こっていますが、780,000年を最後に起こっていません。よって、ポールシフトが起きるのは確実ですが、問題は「いつ」起こるかです。

極は、コインを投げるように一瞬で変わるわけではありません。1000年以上の単位の時間をかけてゆっくりと移動します。

地磁気が弱まってきていることと、南大西洋の地域で既に表面下での逆転が起こっていることから、その時期はわりと早く来るのではないかと考える科学者もいます。

地磁気が変化すると、磁場を頼りに移動する鳥たちは困ったことになります。また、全体的な磁場の弱体化は良いことではありません。特に人工衛星や宇宙飛行士にとっては大問題。というのも、地球の磁場は宇宙線や太陽風から地球を守ってくれているからです。

 

北磁極変動のスピードアップははたして、ポールシフトの前触れなのでしょうか?今後の動向が気になります。

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reference: Phys.Org / written by SENPAI

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