飲み過ぎ注意。暴飲によりDNAが変化しアルコールへの欲望が増加する

life 2019/02/08
Credit: pixabay
Point
■暴飲する人たちから、2つの遺伝子のDNA上にメチル化による変化が見つかる
■メチル化によって、これらの遺伝子の発現が抑制されるようになる
■DNAに変化が見られた人たちに、アルコールへの強い欲求が認められる

暴飲や深酒は、長期的な遺伝子の変化をもたらすかもしれません。その変化によってさらにアルコールを欲するようになることが、「Alcholism: Clinical & Experimental Research」で発表されています。

Hypermethylation of Proopiomelanocortin and Period 2 Genes in Blood Are Associated with Greater Subjective and Behavioral Motivation for Alcohol in Humans
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/acer.13932

アルコール摂取がもたらす深刻な状況

今回の発見により、なぜアルコール依存症がひどい依存を起こすのかを説明できるかもしれません。さらに、アルコール依存症の新しい治療法や、アルコール依存症のリスクがある人の予防につながる可能性があることがわかりました。

世界保健機関によると、2016年のアルコール摂取による有害事象で亡くなった人は3百万人を超えています。これは世界の死因の5%を占めています。アルコールによる死因の4分の3は男性でした。また、世界全体で怪我や病気になった犠牲者の内5.1%はアルコールが原因です。

暴飲が遺伝子に変化をもたらす

ラトガース大学とイエール大学医学大学院の研究者たちは、飲酒行動の調節に関わっている2つの遺伝子に注目しました。PER2という生物時計に影響を及ぼす遺伝子と、P0MCというストレス応答系を調節する遺伝子です。

まず、適度な飲酒をするグループと、暴飲深酒するグループとを比較しました。すると、暴飲グループにおいて、アルコールによる遺伝子発現をコントロールするための重要なメカニズムである、メチレーションと呼ばれる遺伝子修飾を介し、2つの遺伝子が変化することを発見。また、暴飲グループでは、これらの遺伝子がタンパク質を合成する際、遺伝子発現や速度が低下し、その変化はアルコール摂取量に伴って増えていました。

さらに、酒好きのストレス依存、中立、アルコール依存も調べました。被験者にビールの箱を見せた後、飲むことを許可。飲酒への意欲を評価しました。その結果わかったのが、アルコールによって増加する遺伝子の変化が、暴飲グループのアルコールへの欲望と関連していることです。

この発見により、研究者たちは暴飲深酒におちいるリスクを示すバイオマーカーが見つかるのではないかと期待しています。

飲めば飲むほど強くなるのは酔拳だけでなく、酒への欲望もあるようです。メチレーションによる遺伝子修飾は、後天的なものであり、遺伝子型とは関係ないため、基本的に親からの遺伝というわけではありません。なので、今回の研究から、誰もが飲みすぎることで酒に溺れるようになる可能性があることが言えます。お酒はほどほどに。

酒は百薬の長ではなかった。少量の飲酒が死亡リスクを高めるという研究

referenced: Medical X Press / written by SENPAI

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