魚は鏡の中の自分を「自分」と認識できる可能性 大阪市大が研究

animals_plants 2019/02/09
Credit: Alex Jordan ラッセのミラーテスト
Point
■ミラーテストとは、鏡と体につけた目印を使い、視覚的な自己認知能力の有無を確かめるテストである
■ホンソメワケベラに対して、ミラーテストを行った結果、テストを通過した
■ホンソメワケベラが本当に自己認知能力を持っているかは議論がある

魚の一種、ホンソメワケベラが、自己認識を見極める際に使われるミラーテストの最中に、鏡に写る自分の体についた目印を除去しようとする行動をとりました。

この発見は、「PLOS Biology」で発表されており、魚が考えられていたよりも高度な認識能力を持っていることを示しています。それにより、人間とは異なる生物の知性を評価する方法について、議論が巻き起こりました。

If a fish can pass the mark test, what are the implications for consciousness and self-awareness testing in animals?
https://journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.3000021

魚は鏡に映る自分の姿を認識している

研究を行ったのは、マックスプランク研究所と大阪市立大学の研究者たちです。彼らの実験によって証明されたのは、彼らの実験によって、魚があらゆるレベルのミラーテストを通過したかのような行動をとったことが証明されましたが、その解釈についてははっきりしていません。

では、ミラーテストによって、魚が自己認識を持っていることが示されたのでしょうか?しかし、現在のところ、自己認識が確認されているのは、霊長類と一部の哺乳類だけです。

「私たちが観察した行動には、行動上、テストが本来意図していたすべての基準を、すべて満たしているのか若干の疑念はあります。明確でないのは、魚がこれらの行動を自己認識した証拠として考えていいのかということです」と著者のアレックス・ジョーダン博士は述べています。

鏡像を自己であると認識する能力は、どの生物にとっても認識能力の特徴と考えられています。この現象を魚で調べるために、ホンソメワケベラに対して「目印」テストを行いました。

ホンソメワケベラは、他の魚の寄生虫を食べて「掃除」することで知られている魚です。よって、鏡にしか見えない部位に印をつけ、それを「自分」と認識するかどうかを調べました。

研究者は、魚が自分の姿を鏡で見た後、硬い表面へと体をこすり付けることで、目印を剥がそうとするのを観察しました。魚は、目印が透明で見えない場合は、鏡があっても剥がそうとはせず、鏡がない時も、色のついた目印を剥がそうとしませんでした。これらのことが意味しているのは、魚の行動が、鏡に写る自分の体に着いた目印をトリガーにして行われているということなのです。

自己認証能力を本当に持っているのか

さらに、目印のついていない魚が、仕切りの先に目印のついた魚がいることに気づいた場合にも、目印を剥がす行動は見られませんでした。また、鏡に目印を貼っても、剥がす行動は見られませんでした。つまり、寄生虫の存在を示す目印が環境の中にあり、食欲をそそるだけでは、剥がそうとする行動を起こさないのです。

 

この発見を、「魚に高度な自己認識能力があるため」と、解釈するのは単純で理解しやすいですが、比較的「知能が低い」と思われていた魚がこの様な能力を持っていることは、にわかには信じがたく議論を巻き起こしそうです。また、ミラーテストそのものの信憑性についても、考え直す必要があるかもしれません。しかし、魚には自己とそれ以外を区別するための神経系があるという研究もあるようですので、「魚すげー!」という話のようです。

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reference: Phys.Org / written by SENPAI

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