天王星と海王星で「謎の嵐」が吹き荒れ中!ハッブル宇宙望遠鏡が激写

■NASAがハッブル宇宙望遠鏡を用いて、例年の木星型惑星の調査を実施
■天王星の北極部に「巨大な雲」が見つかり、海王星には6,800マイルもの長さの「暗い渦」が見つかった
■ 惑星における「季節の遷移」がその形成に影響を与えていると考えられる
NASAが実施した毎年の惑星調査により、天王星と海王星に「謎の嵐」が吹きすさんでいることが分かりました。NASAは例年ハッブル宇宙望遠鏡により、木星、土星、天王星、海王星といった4つの(広義の)木星型惑星の写真を撮影しており、今回の写真もその調査の一貫です。
詳細は、2月8日のNASA公式HPで発表されています。
https://www.nasa.gov/feature/goddard/2019/hubble-reveals-dynamic-atmospheres-of-uranus-neptune/
天王星と海王星に謎の嵐

この最新の調査で判明したのは、天王星の北極が、完全に巨大な「輝く雲」に覆われていること。また、海王星では6,800マイル(約11,000キロメートル)もの暗い渦が横切っていることが分かりました。これは1989年にボイジャー2号が撮影した大暗斑と同様のものです。
天王星は「真夏」へと突入
天王星と海王星は、地球と同じように「季節」を持つ惑星です。しかし、地球でのそれが数ヶ月で遷移するのに対して、天王星や海王星では「数十年」単位のスパンとなります。
科学者らは、天王星を覆う雲が「季節の移り変わり」と「天王星の珍しい特徴」が重なることで引き起こされたものであると考えています。太陽系を構成する他の惑星と異なり、天王星は自転軸が「横倒し」となっているため、夏の間は北極付近が太陽の光をほとんど独占してしまう状態となっています。そして天王星の季節は現在、「真夏」へと近づいているところ。極を覆う嵐はさらに勢力を強めていくことが予想されています。
海王星の嵐については、渦が確認できるほどの高度に現れる前に、星のコアに近い大気の深い部分で始まったと考えられています。しかしそれがどのようにして嵐を形成したのかについて詳しいことは分かっていません。
これからもハッブル宇宙望遠鏡が、遠く離れたこれらの惑星のスナップショットを取り続けることで、専門家たちはこうした星の世界における天気のパターンを解明することができると考えています。そして究極的には、こうしたパターンの研究が「地球」の気象を予測する際にも役立てられるようになる可能性もあるのです。