■2億4千万年前に生息していた太古のカメの化石から「骨のガン」が見つかった
■これは哺乳類や鳥類、爬虫類を含む「羊膜類生物」の中では今のところ最古の「ガン」である
■化石内に発見された「骨肉腫」は、現代の人間に見られるものと一致しており、肺にまで達すると死に至る恐れがある
ガンってかなり古くからある病気なんですね。
今回、カーネギー自然史博物館の研究員であるブルース・ロスチャイルドが率いる研究者たちは、2億4千万年前のものと推定される太古のカメの化石の中に珍しい骨のガンを発見しました。
研究の詳細は2月7日付けで「JAMA Oncology 」上に掲載されています。
https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/article-abstract/2723578
6年前に発見された太古のカメの化石から…
元々「ガン細胞」は、細胞分裂の際のコピーミスから発生するものです。多細胞生物が誕生した10数億年前にはすでに「ガン」は存在していたと考えられます。
しかし、「がん」は柔らかい層の中に病巣をつくるため、化石として残されることが難しく、研究者たちも「ガン」がどれほど古くから存在していたのか特定できていませんでした。
6年前にドイツで発見されたこの太古のカメの化石、生息年代は「三畳紀(約2億5100万年前〜約1億9960万年前)」まで遡ります。学名は「Pappochelys rosinae」と呼ばれる爬虫類生物で、大きさはわずか20cmほどです。幅広の肋骨と下腹部の骨を持っていて、甲羅はなし。この生物がおよそ3000万年かけて現代のカメの姿に進化していったと考えられているそうです。
同じ化石は20個ほど発掘さたのですが、ガンの化石が見つかったのはその内のひとつ。左大腿骨の内側にありました。しかもこのガンの化石、爬虫類や鳥類、哺乳類を含む「羊膜類生物」の中で見つかった最古のものです。