史上初の「人体神経に直結した義手」が開発される! より繊細な動きや触覚の再現が可能に

technology 2019/02/12
Credit: Dr. Max Ortiz Catalan
Point
■神経に直接電極を埋め込むことで、より精密な動きや触覚の再現が可能となる義手が開発された
■従来の義手では肌の上の電極が筋肉の信号を読み取っていたので、大まかな動きしか再現することができなかった
■ 失った手の本来の動きを思い出すために、ヴァーチャル・リアリティを用いた訓練をすることもできる

某漫画の「義体化」や、サイボーグ化が現実になるかもしれません。まさにSFです。

スウェーデンの義手メーカー Integrum AB とチャルマース工科大学が協力して、前代未聞の革新的な「義手」を開発しました。電極を直接神経に埋め込むことで、より精密な動きや触覚を再現できます。

従来型の性能をはるかに凌駕

従来型の義手は、まず肌の上に電極を置き、その下の筋肉からの制御シグナルを読み取ることで動きます。しかしその薄い電極は、限られたシグナルしか感知することができず、義手の動きも「手を広げる」、「手をにぎる」といったような大まかな動作しかコントロールすることができませんでした。

しかし、今回開発された義手では電極が筋肉に「直接」埋め込まれています。実験では実際に、患者に埋め込まれた「16」もの電極がシグナルを感知し、より複雑で器用な動きをすることができました。

また、従来の義手では触覚によるフィードバックが制限されており、装着した人はモノを「触った」感覚を得ることができません。そのため、ユーザーはどの程度強く対象物を握っているのかさえも分からないのです。

しかし開発された義手では、かつての本物の手とつながっていた神経に電極を埋め込むため、義手から伝わった電気信号によってモノを感知することが可能になります。

本物のブレイクスルー

この開発が持つ重要な意味の1つとして、これが「日常生活レベル」で使用できるという事実があります。決してこの義手は、研究室の中のみで使えるようにデザインされているわけではないのです。

患者はこの画期的な義手の装着にともない、腕の骨の強度を取り戻すためにリハビリのプログラムに参加しています。骨も負荷をかけなければ弱っていってしまうのです。

さらに彼女はそれと並行して、ヴァーチャル・リアリティを用いて失った手のコントロールを再学習しています。彼女の他にもイタリアとスウェーデンにいる2人の患者が、近いうちにこの次世代の義手を装着する予定です。

チャルマース工科大学のオルティス・カタラン博士は、「ここ10年でいくつかの最新技術を用いた義手の開発が報告されてきましたが、残念ながらそれらは限られた環境下における、短期間でのみ使用可能なものばかりでした」と述べており、今回の開発が本物のブレイクスルーであることを強調しています。

感じる…。ロボットに触覚を与える電子皮膚が開発される

reference: sciencedaily / written by なかしー

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