宇宙を構成する物質は変化し続けている

chemistry 2019/02/16
Credit: CC0 Public Domain
Point
■宇宙を満たす全ての元素は、ビッグバンや恒星内部での核融合や核分裂によって生まれている
■宇宙が進化するに連れて、宇宙で引き起こされるイベントの種類も変化し、それに連れて元素の構成も変化した
■宇宙の元素構成を表す周期表は、宇宙が誕生して以来、変化してきている

元素はあらゆる物を作り出す元であり、私たちの宇宙を構成しています。

元素は常に変化し、進化を続け、星の生から死までの一生も深く関わっているのです。それらの元素が、星の成長、爆発、消失、融合によってどのように形成されるのか、その概要が「Science」に掲載されています。

Populating the periodic table: Nucleosynthesis of the elements
http://science.sciencemag.org/content/363/6426/474

星の生と死から元素が誕生する

「宇宙はとても興味深い変化を見せています。宇宙に存在する元素の種類の数を定めた周期表が、何度も突然大きく変化しているのです」と、論文の著者でオハイオ州立大学天文学教授ジェニファー・ジョンソン女史は言っています。

周期表は1860年代にドミトリー・メンデレーエフによって発見されました。化学的性質によって組織的に分類された元素の表で、人類が元素を理解するのに役立っています。

科学者たちは、周期表を生み出したのが星屑であることを、以前から知っていました。一番軽い水素から重たいローレンシウムまで、周期表に現れるほとんどの元素は星からはじまっていたからです。

宇宙形成15分後の周期表 ビッグバンによる核融合がすべて Credit: Jennifer Johnson
1億年後までの周期表 大質量星の超新星爆発と宇宙線による核分裂が加わる Credit: Jennifer Johnson
2億年後までの周期表 中性子星の融合が加わる Credit: Jennifer Johnson
8億年後までの周期表 軽い星の死と白色矮星の爆発が加わる Credit: Jennifer Johnson

元素の合成は、137億年前のビッグバンとともに始まりました。最も軽い元素である水素と、ヘリウムはともに、ビッグバンによって最初に生み出されています。もっと重たい元素は、星の誕生してからの一生の間や死ぬ時にほとんど生み出されました。

オリオン座に含まれたいくつかの大質量星は、軽い恒星よりも速く元素の合成が起こります。そして、水素やヘリウムを融合させて炭素を作り、炭素からマグネシウム、ナトリウム、ネオンを生み出しました。大質量星が死ぬと、星が一生を終える時に起こす超新星爆発が起こって、酸素やケイ素、セレンなどを宇宙空間に放出したのです。

太陽のような質量の小さな星では、中心核であるコアで水素とヘリウムの核融合が起こっています。ヘリウムは融合によって炭素となります。小さな星が死ぬと、核融合反応を終えた白色矮星が残ります。白色矮星は、混ざり合い爆発する時に、その他の元素を合成。そして、白色矮星の爆発でカルシウムや鉄が宇宙に放出されます。質量の大きな中性子星との融合によっては、ロジウムやキセノンが生み出されているかもしれません。

宇宙の元素構成を表す周期表は変化している

人間のように、それぞれの星は異なるタイムスケールで一生を終えます。星が生と死を経験する事でのみ元素は生み出されるため、宇宙を形成する元素の構成は、時間と共に変化するのです。

各元素が生み出される時、特定の星の誕生と死が必要です。それを考えると、周期表を埋める元素ができるために、どれほど多くの星が貢献してきたのか思い知らされます。超新星爆発だけではなく、小さな星の死を考えることも興味深いことですね。そして、それらがこの星々の狭い領域に集まっているのはすごいことではないでしょうか。

1300光年離れた若い星から「有機物質」を発見

referenced: Phys.Org / written by SENPAI

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