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カルトの帝王リンチでも大失敗した呪われた映画『デューン/砂の惑星』、リメイクの行方は?

culture 2019/03/02

デューン/砂の惑星 日本公開30周年記念特別版 Blu-ray BOX

カルト映画の帝王デヴィッド・リンチ監督をご存知ですか?彼のフィルモグラフィーの中で、1番に思い付く作品は?

…と聞かれて「デューン/砂の惑星!」と声高らかに答える人が何人いるでしょうか。というより「そんなのあったっけ?」という方も多いのでは。大半の方は、リンチ作品に特有の悪魔的イメージが展開される『イレイザーヘッド』や『ツイン・ピークス』『ブルー・ベルベット』『マルホランド・ドライブ』辺りを挙げるでしょう。

世間的にも『デューン/砂の惑星』は失敗作だと謳われていますが、劇中に登場する惑星のビジュアルや巨大なワームの造形など、リンチ監督のイメージが存分に炸裂している様子がうかがえます。一部のファン層ではカルト化もしている作品なのです。

 

『デューン/砂の惑星』とは?

原作は、1965年に発表されたフランク・ハーバートの同名SF小説『デューン/砂の惑星』。

舞台となるのは、通称「デューン」と呼ばれる砂の惑星アラキス。デューンは、抗老化作用のある希少な香辛料「メランジ」が採取できる唯一の惑星であり、これを手に入れると宇宙を支配することのできる力を得られるのです。そして、デューンの支配権をめぐって、公家である「アトレイデ家」と「ハルコンネン家」が争い合うというストーリー。

小説自体は、「水をめぐる環境問題」や「宗教的な精神世界」を扱った非常に高密度な作品であり、、ヒューゴー賞およびネビュラ賞を同時に獲得しているほどの名作です。

幻に終わった『デューン』

実は、小説の発表以来、映画化の話は何度もあったのですが、どれも陽の目を見ることができませんでした。中でも一番有名なのは、『エル・トポ』を制作したアレハンドロ・ホドロフスキー監督による映画化。

キャストには、サルバドール・ダリやオーソン・ウェルズ、ミック・ジャガーなど錚々たるメンバーを予定しており、絵コンテまで仕上がっている状態でした。しかし、撮影開始直前にハリウッド側とトラブルを起こし全面中止。

映画化中断の経緯は、『ホドロフスキーのDUNE』というドキュメンタリー作品として世に出され、絵コンテや監督による裏話も聞くことができます。これを観ただけでも、監督がいかに壮大なブループリントを脳内に描いていたのかがよく分かります。ホドロフスキーの「デューン」構想は、『スター・ウォーズ』の制作にも多大な影響を与えているほどで、未完の超大作となってしまいました。

あのリンチ監督でも遠く及ばず…

その後、イタリアのプロデューサーが映画化の権利を買い、監督として白羽の矢が立ったのがデヴィッド・リンチ監督でした。しかし、流石のリンチ監督も、制作側の厳しい条件に苦しめられ、のびのびと制作できなかった様子。

1984年の完成した本作も、原作の長大な物語を語るには、あまりにも多くの部分が削ぎ落とされすぎており、断片をつなぎ合わせた紙芝居のような印象を受けます。実際、リンチ監督自身も「デューンは失敗作だ」と認めており、興行的にも惨敗。『デューン』は再び、映画史の闇へと沈んでいきました。

ちなみに、ホドロフスキー監督は、自分が完成させられなかった『デューン』を、才能あるリンチ監督が仕上げたと聞き大ショック。しかし、息子に無理やり連れて行かされて観た『デューン』があまりにもひどい出来だったので、大喜びしたそうです。

 

Never give up デューン!

こうして、波乱万丈をたどってきた『デューン』は、ある意味で、呪われた題材でもあるわけです。しかし、『デューン』は三度蘇ろうとしています。現在、ハリウッドで再映画化が進行中で、監督は、『メッセージ』や『ブレードランナー2049』で知られるドゥニ・ヴィルヌーヴ氏。リンチ版のようにボリュームを落とさないよう2部作を予定しています。

今度こそ最高の『デューン/砂の惑星』が観られることに期待し、首を長くして待ちましょう。

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reference: faroutmagazine / written & text by くらのすけ

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