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視力6000相当のアルマ望遠鏡、野良ブラックホールを突き止める (2/2)

2021.01.28 Thursday

2019.02.13 Wednesday

前ページ大中小3つの大きさのブラックホール

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やせいの ブラックホールが あらわれた!

水素原子でできた星雲「分子雲」は、一般的には、銀河の回転に従って中心核の周りを運動しています。

しかしそれを覆すかのように、銀河回転に「逆行」する異質な回転を行う分子雲が、2016年に国立天文台と慶應義塾大学の研究チームによって発見されました。研究チームはその不自然な方向への加速を受けたような運動が「野良ブラックホール」によるものである可能性を指摘していました。

さらにチームはこの分子雲の正体を掴むため、アルマ望遠鏡を使った観測を実施。すると、当初1つの分子雲と思われていたものは複数の構造から成り立っていたことが分かりました。そして分子雲それぞれの連続的速度変化から、起動回転運動をしていると考えられ、その運動を助ける引力源の存在…つまり「中間質量ブラックホール」が強く示唆されたのです。

この野良ブラックホールの質量は太陽の3万倍程度で、これは中間サイズに当たります。これまでにも中間質量ブラックホールの存在は示されてきました。しかし今回観測された分子ガス雲の詳細な運動は、今まで以上に確かな証拠が提示しています。

これまでのブラックホール探査は「降着円盤」という、吸い込まれる物質に由来する円盤から放出されるX線やガンマ線をもとに行われていました。しかし、私たちのいる天の川銀河内のブラックホールはこの方法が取りにくいため、今回の研究は、今後のブラックホール探査の手法について重要な成果だったようです。

みんなもブラックホール、ゲットじゃぞぉ〜

レアな中間質量ブラックホールが、近づいた「ゾンビ星」を復活させている可能性

reference: nao.ac.jp / written by 白大根

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