薬物中毒者が依存から回復する時に見る「夢」とは

psychology 2019/02/14
Credit: pixabay
Point
■アルコールや薬物中毒者が見る、飲酒や薬物を摂取する夢は回復の兆候である
■起きて夢だと認識した時、夢の中で感じた罪悪感が安心感に変わることが理由
■回復するにつれて、飲酒や薬物を摂取する夢を見る頻度が減少する

お酒をやめたいのに、やめられない。中毒はとても恐ろしいもので、いったん抜け出せなくなると、乗り越えるには大変な努力が必要です。中毒から回復すると、人の意識にはどのような変化が起こるのでしょうか。

マサチューセッツ総合病院(MGH)回復研究所が、Journal of Substance Abuse Treatmentの1月号で、アルコールや薬物中毒者が見る「飲酒や薬物を摂取する夢」は、回復の兆候であることを発表しました。

The reality of drinking and drug using dreams: A study of the prevalence, predictors, and decay with time in recovery in a national sample of U.S. adults
http://dx.doi.org/10.1016/j.jsat.2018.10.005

アルコールや薬物中毒者がみる飲酒や薬物の夢は、回復の兆し

これまでも、中毒患者が回復期になるとアルコールや薬物の夢を見るという説は存在していました。しかし根拠がなかったため、◯◯氏率いる研究所は、これを証明するための実験を行いました。

まず、深刻なアルコールや薬物の中毒を乗り越えた2,000人以上を対象に、夢に関する調査を行いました。すると、3分の1の対象者が、回復してきた頃、アルコールや薬物を再び摂取する夢を見たと報告しました。また、回復するほど、このような夢を見る頻度が減っていくという結果も出たのです。

罪悪感が安心感へ変わる

それでは、一体夢と中毒にどんな関係があるのでしょうか?

一般的に、アルコールやヘロイン、コカイン、大麻などの薬物中毒者は、同じパターンの夢を見ると言われています。

中毒の要因を摂取する夢を中毒者が見ると、目覚めるまでの間、中毒者は自己不信に陥り、恐怖や罪悪感、後悔でいっぱいになります。しかし夢であることがわかった瞬間、感じていた負の感情が安心感に変わるのです。

そして回復するにつれて、これらの夢を見る頻度が減っていきます。そしてだんだんと身体と心が徐々に禁欲生活に順応していき、心理的な不安が消えていくのです。

研究者いわく、中毒者が回復に向かっているときの睡眠は大きな変化をもたらすため、夢は「治癒過程と脳の安定」を示している可能性があると説明しています。

 

夢が私たちの深層心理を示しているという考えは、とても興味深いことです。夢を通して患者本人が回復していることに気がつけば、治療に取り組む意欲も増します。そうすれば家族などの身近な人々も救われるかもしれませんね。

夢と自覚しながらみる夢「明晰夢」を見やすくなる薬が発見される

reference: EurekAlert / written by Nazology staff

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