数十万もの新しい銀河が掃天観測で発見される

space 2019/02/20
Credit: LOFAR
Point
■LOFARという電波望遠鏡を使った掃天観測が行われ、最初の2%の結果が報告される
■検出された電波源の数は30万にも達し、そのほとんどが銀河であり、ブラックホールによるジェットの噴出も観測されている
■調査の最初のフェーズだけでも多くの発見があり、26本もの論文にまとめられている

銀河も研究者も論文もスゴイ数です。

30万もの電波源から、そのほとんどが遠くの宇宙にある未知の銀河であることがわかりました。

18カ国から200人以上の天文学者が協力し、LOFARで知られる電波望遠鏡を使った掃天観測が行われ、この大規模な調査の最初のフェーズの結果が発表されました。詳細は26本の論文にまとめられ、「Astronomy & Astrophysics」誌に掲載されています。

LOFAR Surveys: a new window on the Universe
https://www.aanda.org/component/toc/?task=topic&id=920

LOFARで観測された銀河とブラックホール

感度の高さで評判のLOFAR。非常に細かく夜空をマッピングすることができます。研究の初期フェーズでは、このLOFARを使って北半球の天球およそ4分の1が調査の対象とされました。操作を担当したのは、オランダのASTRON研究所です。

電波天文学では、可視光では見ることのできない宇宙の秘密を解き明かすことができます。

30万の電波源から送られた信号を解析した結果、その多くが銀河だということがわかりました。また銀河クラスターの進化を見て電磁場を測ることで、ブラックホールも発見されています。

電波の波長でブラックホールの放出するジェットを見ることができるため、天文学者たちはLOFARを使ってブラックホールの成り立ちを明らかにしたいと考えています。

LOFARの高感度な観測によって、多くの巨大銀河にブラックホールによるジェットがあることがわかりました。これは、ブラックホールが絶えず物質を飲み込んでいることを示唆しています。

衝突が起きていない銀河からも電波放射を検出

銀河クラスターは星の塊のように見えますが、実際は数百、数千の銀河がグループを作ったものです。ときには2つの銀河が混ざり合い電波を放出しますが、その規模は数百万光年にも及び、放出の原因は粒子の加速によるものと考えられます。

その電波を検出することで、融合によるジェットがどのように形成されるのかが解明されるのですが、それ以外にも注目すべきことがありました。クラスターに属する銀河で、衝突が起こっていないものにも電波の放射が見られたのです。その放射は今までは検出できなかった、極めて低い周波数の電波によるものでした。この発見が示すのは、大規模に粒子を加速するイベントが、銀河の融合イベントにとどまらないということです。

LOFARは、宇宙における弱い磁場の観測をも可能にしました。千百万光年という巨大な電波銀河からの電波による宇宙磁場の効果が測れるようになったのです。宇宙磁場の起源について何かわかるかもしれません。

Credit: LOFAR

しかし、これらの遠い銀河の美しい画像をデータから得るには、時間だけでなく高い計算力も必要となります。科学者が処理しなければならないLOFARの集めたデータの総量は、DVDに換算して1千万枚にも及びます。解析にはオランダのICT組織であるSURFのスーパーコンピューターが一年間に渡って使われました。その計算量は通常のコンピューターだと何世紀もかかるものです。

今回発表された26本の論文は、掃天観測の最初の2%の結果に過ぎません。最終的には北半球で観測できる星空すべての画像を得ることを天文学者達は望んでいます。その電波源の数は1500万に達する見込みです。調査により宇宙の初期に生まれた最初の巨大ブラックホールが明らかになると、研究者らは信じています。

 

微弱で波長の長い、今まで観測されてこなかった電波による初めての大規模で包括的な調査です。見つかった銀河の数も莫大ですが、対象にははるか遠い銀河、つまり遠い過去の銀河が多く含まれているでしょう。まだ明らかにされていない、大質量ブラックホールの成り立ちや、ジェットの仕組みを明らかにするための、貴重なデータが得られたことになります。論文総数も26本と、多くの発見があったようです。それでも全体の2%ということですから、今後の研究に期待がかかりますね。

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referenced: CNN / written by SENPAI

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