海王星に新たな衛星を発見! 探査機ですら見逃した超ミニサイズ

space 2019/02/21
Credit: Showalter et al., Nature, 2019
Point
■ハッブル宇宙望遠鏡のデータから、海王星に新たな14番目の衛星を発見
■周回する天体の軌道を計算に入れて画像を変換して重ねることで、見えなかった天体を浮かび上がらせた
■海王星の輪の一つである、アークの成り立ちもこの衛星で説明できる

謎の多い神秘的な海王星ですが、まだまだ秘密を隠し持っていたようです。

海王星は太陽系にあって最も遠い惑星ですが、その周囲を回る非常に小さな衛星が見つかったのです。名前はヒッポカムポス。ギリシャ神話の「半分馬で半分魚の怪物」にちなんで名付けられています。大きさは34kmで、海王星の衛星としての公式な番号は14が振り分けられました。研究はSETI研究所で行われ、「Nature」で発表されています。

The seventh inner moon of Neptune
https://www.nature.com/articles/s41586-019-0909-9

海王星は楕円軌道ですが、太陽との距離の平均はなんと45億km。太陽と地球の距離の30倍も離れているのです。

惑星天文学者であるマーク・ショウォルター氏は、「この衛星を見つけることが困難だったのは、非常に小さいために、望遠鏡で5分間の露光を行っただけではとらえられないことです。さらに動きも速いため、複数の画像を重ね合わせてあぶり出すこともできません」と言います。この発言からも、発見には巧妙な工夫と執拗な忍耐力が必要だったことがわかります。

探査機も見逃した偶然の発見!

Credit: dailymail

研究チームは最初から衛星を探していたわけではありませんでした。2004年からハッブル宇宙望遠鏡を使って、海王星の輪のひとつ、アークの進化を研究していたのです。アークは探査機ボイジャーによって1989年に見つかった、半円状の海王星の輪です。しかし、アークを明瞭に見るのは非常に難しく、チームには工夫が必要でした。

そこで研究者が考案したのは、軌道上の動きを計算に入れて画像を連続的に歪めるという方法です。この方法を使うと、海王星系を『止める』ことができるようになり、8枚の5分露光画像を組み合わせることで一枚の40分露光画像を得ることができます。

衛星が発見されたのは、その過程での出来事でした。海王星のそばに何か奇妙なものが現れたのです。

「特別な「点」が画像の中に浮かび上がりました。他のデータで作った画像の中にも同じ点が見つかり、それらの点がひとつの軌道上を動いていることがわかったため、ヒッポカムポスの発見が確定されました」

アークをも説明できる可能性を秘めるヒッポカムポス

ボイジャーが1989年に海王星に近づいたときでさえ、この衛星は見つかっていません。今回発見された海王星XIVとして知られていた衛星が最初に発表されたのは2013年です。しかし、その完全な軌道を知るためにはさらなるフォローアップが必要とされていました。完全なデータセットは、2004年から2016年の期間をカバーしています。

では、ヒッポカムポスとは一体何でしょう。どのようにして生まれたのでしょうか。ひとつ手がかりとなるのが、その軌道が他の小さな衛星である420kmのプロテウスにとても近いことです。プロテウスにはファロスと呼ばれるとても大きなクレーターがあります。

Credit: dailymail

仮説では、プロテウスに衝突した彗星が巻き上げたデブリが海王星の軌道に撒き散らされ、それらが時間とともに融合してヒッポカムパスになったと考えられています。ファロスクレーターから失われたデブリの2%の質量が、ヒッポカムパスになり、その残りがアークになったというのです。

 

アークの成り立ちをも説明できるヒッポカムパスに、研究者たちは興奮しています。この発見をもたらした、新しいデータ処理法によってさらなる発見ももたらされるかもしれません。研究者達は、天王星や海王星にはまだ小さな衛星があると考えています。その発見は、NASAやESAが次に探査機を送った時にはっきりするでしょう。

地球のご近所で4,000個以上の星から成る巨大な「星の川」を発見

referenced: Science Alert , dailymail / written by SENPAI

SHARE

TAG

spaceの関連記事

RELATED ARTICLE