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「偽善だ」と言われないためのコツは結果よりも「動機」に着目すること (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2019.02.24 Sunday

前ページ「利他性」が損なわれるシチュエーションとは?

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「動機」こそが利他性の判断基準

続けて研究チームは、被験者を増員してグループ4を設け、グループ1〜3にはさきほどと同じ調査を行い、新たに追加したグループ4には他者の役に立たない中立的行動(「映画を観に行く」など)を評価させました。すると、最初の調査と同じ結果に加えて、物質的・社会的利益のために取られる向社会的行動は、中立的行動よりも利他的でないと評価される可能性さえあることが明らかになりました。

2つの調査結果を総合すると、行動の結果よりもその動機こそが、行動の利他性を判断する上での主な基準であることが分かります。その効果はあまりにも強いため、他者の役に立つ行動が、まったく他者の役に立たない行動よりも、むしろ利他性が低いとみなされることさえあるほどです。

これは、私たちが感じ取った相手の行動の動機から、その人の未来の行動を予測しているからでしょう。「条件付きの向社会性」ほど胡散臭いものは無いのかもしれませんね。表面的には利他的行動を取っているように見えても、その影に利己的な動機がちらついていたら、むしろ詐欺的で危険な人物とさえみなされることがあるのです。

今後、ボランティア活動への参加についてSNSに投稿する時は、こうした活動にまったく参加しない人よりもむしろ利他性に欠けるという評価を周囲から下されるリスクもあることを、理解しておいた方が良さそうです…。

reference: digest.bps / translated & text by まりえってぃ

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