効果的な部下の「褒め方」とは?チームの「マインドセット」にフォーカスせよ

education 2019/03/03
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部下を「褒める」ことは、個人の能力アップにつながり、ひいては会社の成長につながります。人は褒められることにより、新たなことにチャレンジする意欲が芽生えたり、適切なリスクを取りやすくなるのです。

自分の能力に関する「2つ」のマインドセット

しかし、その「褒め方」には正しいやり方があります。スタンフォード大学の心理学者、キャロル・ドウェック氏の研究によれば、多くの人は自分の能力に関して2つのマインドセットのうちどちらかを持っているとのことです。

1. 「生まれつき」を信じるマインドセット

これは、知性、能力、スキルといった要素が生まれつきのものであり、ほとんど固定されたものだとする考え方です。このマインドセットの持ち主は、「私は頭が悪いから」「数学は私の苦手分野です」といったような言葉をよく口にします。要するに、「神には抗えない」と考える人のことを指します。

2.「成長」を信じるマインドセット

これは、知性、能力、スキルといった要素が、自らの努力によって磨かれていくとする考え方です。このマインドセットの持ち主は、「もう少し時間があれば、やり遂げてみせる」「大丈夫、もう1度やってみるよ」といったような言葉をよく口にします。要するに、「なりたいと思う自分になれる」と考える人のことを指します。

「褒め方」がマインドセットを形成

そうしたマインドセットが形成されるのは、通常私たちが子どもの頃からであり、私たちがどのような「褒められ方」をしたのかに影響を受けます。

たとえば、次のような言葉で褒められた覚えがあるかもしれません。

・「そんなに速く解けたなんて、あなたは賢いわ!」

・「勉強していないのに “A” が取れたなんて、あなたはすごいわ!」

このような「褒め言葉」の裏には、以下のようなメッセージが隠されています。

・「もし速く解けなければ、私は賢くないのだ」

・「もし勉強をしなくちゃならないのであれば、私はすごくないのだ」

こうしたメッセージを受け取ってしまえば、「生まれつき」を信じるマインドセットを形成してしまう傾向があります。自分が変わることができないと思いこんでしまうのです。このマインドセットでは、生まれつき能力が定まっているので、あなたは賢いかもしれないし、そうでないかもしれない。才能があるかもしれないし、そうでないかもしれない。運動神経がいいかもしれないし、そうでないかもしれないということです。

そうしたマインドセットの持ち主は、困難に直面してしまうとすぐに無力感を感じてしまいます。それを乗り越えるだけの能力がないと思いこんでしまうからです。そして、そのうち挑戦を止めてしまいます。

才能ではなく「努力」を褒める

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部下の「成果」のみを褒める対象としたと仮定しましょう。あるいは、部下の短期的な「失敗」のみを叱責したとします(イメージしにくければ、褒める対象や叱る対象を家族や友人に置き換えてみてください)。

そうすることで、「生まれつき」を信じるマインドセットが形成されやすい環境を作り出してしまいます。すると何が起こるでしょう?人は結果から得られた教訓や、経験、成長ではなく、単に「失敗」にフォーカスしてしまいます。そしてすぐにモチベーションを失ってしまい、チャレンジを止めてしまいます。結局自分は変わることができないと思い、努力には意味がないと感じてしまうのです。

どうすれば、チーム内で「成長」を信じるマインドセットを育んでいけるのでしょう?結果への称賛や、失敗への建設的なフィードバックは変わらず必要です。

しかし、以下のような言葉をかけてあげなければなりません。

・「よくやった!あなたが時間と努力を惜しまなかったことがよくわかるよ」

・「締め切り間近だったのによくやってくれた!間に合わせるために一生懸命やってくれてありがとう」

違いは何でしょうか?結果を褒めていることに変わりはありません。しかしここでは、能力やスキルを褒めているのではなく、努力を褒めているのです。

そして努力を褒めることにより、部下が「できないことはない」と思ってくれるような環境を作り上げることができます。成功は、努力や勤勉によって生まれるものであり、生まれつきの才能で決まるものではないのです。

環境整備が上の仕事

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同じ理由から、次のような言葉で部下を励ますことも避けたほうがいいでしょう。「あなたならやれる。あなたは本当に賢いのだから」

このセリフの「あなたは本当に賢い」といった部分が、部下に対して生まれ持ったクオリティを意識させてしまいます。

代わりに、次のような言葉をかけてあげましょう。「あなたを信頼しています。あなたは決して諦めないから、きっとやり遂げてみせるでしょう」

部下のパフォーマンスをコンスタントに上げていくためには、「成長」を信じるマインドセットを育む環境を整備しなければなりません。そうすることで、チームのスキルは向上していくでしょう。

さらに、部下は積極的にリスクを取りに行くようになります。失敗を「成功につながる道」であるとみなすことができるようになれば、リスクを避ける必要がなくなるからです。たまの失敗も、成功へのプロセスの一環なのです。

つまり、生まれ持った能力ではなく、努力や勤勉、そして成長を「成功の礎」として認識すべきなのです。

頼まれるまで同僚に手を貸すべきではない理由

reference: inc. / written by なかしー

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