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遺体を火葬したスタッフが被ばくしてしまう… 原因は意外なところに

2021.01.27 Wednesday

2019.02.28 Thursday

Credit: photo ac
Point
■アメリカで火葬された男性の遺体から、放射性物質が揮発し、火葬場のスタッフが放射能に晒されるという事件が発生していた
■放射性医薬品は検死解剖の際に見落とされやすい
■スタッフに尿検査を行なったところ、患者に使用したものとは別の放射性物質が検知され、以前の火葬でも放射能を浴びていたことが判明

日本も他人事ではありません。

2017年、アメリカである69歳の男性が火葬されました。膵臓癌を抱えていた彼は、深刻な低血圧症が原因で病院に搬送され、その2日後に亡くなりました。

この男性、実は搬送先の病院に入る前日、別の病院で放射性医薬品を癌の腫瘍部に注射していました。しかし火葬場のスタッフがこれに気づかずに遺体を火葬した結果、揮発した放射性物質を浴びてしまったのです。

詳しい報告は、今年2月26日付けで「JAMA Network」上に掲載されています。

原因は放射性化合物

男性に使用されたのは、「ルテチウム-177標識ソマトスタチンアナログ(Lu-177-DOTA-TATE)」と呼ばれる放射性化合物です。火葬の際、男性の体内には、周囲に潜在的な危険を及ぼすのに十分な量が含まれていました。

こうした付随的な危険を無くすため、アメリカの医師たちは、放射性医療に対して厳密な対処法を模索しているのですが、死亡患者については放射性検知が困難だとのこと。

アメリカのミネソタ州にあるメイヨー・クリニックの医師は「体内の放射性物質は独特なあり方をしているため、検死解剖の際に見落とされやすい」と指摘します。

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