ブレイクスルーきた! 二酸化炭素を常温常圧で炭素にもどす技術を開発

technology 2019/02/28
Credit: Nature communications/ RMIT University
Point
■温室効果ガスである二酸化炭素を効果的に処理する技術が求められている
■液体金属の触媒を用いることで、常温常圧で継続して二酸化炭素を固形の炭素に変換する技術を開発
■出来た炭素は、スーパーキャパシターとして使うこともできる

二酸化炭素を炭素に戻すという、新しいブレイクスルーとなる技術が開発されました。

この革新的な技術によって、ガス内の二酸化炭素を効率的に固形状の炭素粒子に変えることが出来ます。研究はオーストラリアのRMIT大学で行われ、2月26日付けで「Nature Communications」に発表されています。

Room temperature CO2 reduction to solid carbon species on liquid metals featuring atomically thin ceria interfaces
https://www.nature.com/articles/s41467-019-08824-8

従来の二酸化炭素除去技術との違い

研究チームによると、この技術は、安全で恒久的に大気中の二酸化炭素を取り除ける「新たな経路」をもたらすとのこと。気体の二酸化炭素を取り除く技術は他にもいろいろありますが、処理速度が遅かったり、採算が取れないなどの問題があります。圧縮した二酸化炭素を液状にして、地下に埋めるという方法もありますが、それだと貯蔵場所から二酸化炭素が漏れ出す可能性が残るのです。

しかし今回の「固形の炭に戻す」方法なら、その様な心配はありません。トーベン・ダエンケ博士は次のように述べています。

「文字通り時間を巻き戻すことは出来ませんが、二酸化炭素を炭に戻して地面に戻すと、排出時計を少しだけ巻き戻すことができます。これまで、二酸化炭素を固体に変化させるには極めて高い圧力をかける方法しかなく、産業的には実行できませんでした。しかし液体金属を触媒に使うことで、室温で気体を炭素に変換できることが示されたのです。その工程は効率的で、規模を大きくすることも可能です。もっと研究を進める必要はありますが、固形貯蔵炭素を取り出すための最初の重要な一歩となりました」

蓄電池や未来の乗り物の部品としても応用可能

Credit: Nature communications/ RMIT University

今回の研究では、大気中の二酸化炭素を捕らえて、貯蔵できる固形の炭素に変換する電気化学的な技術を開発しました。二酸化炭素が溶け込んでいる電解質で満たされたビーカーに、電圧をかけた金属触媒を入れると、炭素の薄片が触媒の周りにできるのです。

触媒として働くのは、ナノ粒子となったセリウムで、電圧がかかると二酸化炭素から酸素を引き剥がします。触媒を液状にするのが、室温で液状金属となるガリウムです。ガリウムとセリウムの液状金属合金は、その表面に析出した炭が固着するのを防ぐので、反応を継続して行うことができるのです。

エスラフィツァーデ博士は、「この工程の副次的効果として、発生した炭素が帯電できるため、スーパーキャパシターになれます。これは未来の乗り物の部品として使える可能性もあります。また副産物として合成燃料もできるので、これも産業で応用可能です」と、この技術の多くの利点を説明しています。

 

二酸化炭素は、排出されると温室効果ガスとなってしまいますが、含まれる炭素自体はカーボンナノチューブやグラフェンといった未来のテクノロジーでも活躍する素材です。よって空気中から取り出して活用できるとすれば、環境だけでなく経済的にも大きな利点となるでしょう。

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reference: Daily Mail, Science Alert / written by SENPAI

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