不規則変光星で異星人によるレーザー光を探せ!

space 2019/03/04
Credit: Віщун/Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0
Point
■不規則な変光を示したことで、通称「タビーの星」には異星人の巨大構造物があるのではという説があった
■タビー星からレーザー信号が届いていないかを、177の高解像度スペクトラムで精査する
■異星文明は見つからなかったが、探索方法は後の大規模調査の基礎となるだろう

その不規則な変光が異星人による巨大構造物によると噂される、「タビーの星」や「ボヤジアンの星」ことKIC 8462852。

同様の奇妙な変光星の例も出てきていますが、未だに原因は解明できていません。新たに行われた研究では、この星から人工的なレーザー放射が見られないか、入念な走査が行われました。果たしてどの様な結果が出たのでしょうか?研究は、現在「Publications of the Astronomical Society of the Pacific」に受理され、プレプリントサーバである「arXiv」で読むことが出来ます。

The Breakthrough Listen Search for Intelligent Life: Searching Boyajian’s Star for Laser Line Emission
https://arxiv.org/abs/1812.10161

異星人の巨大構造物じゃ…?

タビーの星がランダムな奇妙な変光を持ち、その解釈を巡って天文学者たちの頭を悩ませ始めてから、三年半たちました。その変光の仕方はとても自然なものには見えないため、「異星人の巨大構造物」が原因の一つに含まれてしまうほど混迷を深めています。

「異星人の巨大構造物の星」というニックネームがついて回ってはいますが、その原因の説明にはなっていません。昨年、ある波長の光が他の波長よりもよりブロックされることがわかってからは、巨大構造物説は除外されています。というのも、巨大構造物だったとすればすべての波長がブロックされるはずだからです。

他の説では、輪を持った惑星が前を通過したとか、巨大で軌道が揺らいでいる惑星、彗星や宇宙ゴミの群れ、恒星が惑星を飲み込んでいたり、恒星内部でなにか起こっている…などなど。科学的には何もわかっていないも同然です。

若き星!高校生によって率いられた研究

しかし徹底して調査してこそ天文学者です。UCバークレー校のSETIチームの研究を率いたのは、当時高校生だったデビット・リップマンくん。今まで検討されてこなかった角度からこの星を調べました。

解析したのはタビー星の177の高解像度スペクトラムです。異星文明が放つと考えられるレーザー信号を検出しようとしたのです。自動惑星検出望遠鏡のデータを使って、24メガワット以上の連続したレーザー信号を探しました。このパワーはタビーの星までの距離1470光年までで望遠鏡を使って検出できる最低限の強さです。

その出力は人間の技術で到達可能な強さでもあります。そこで、もしタビーの星の文明が人間が到達した文明程度にまで栄えていれば、レーザー技術は持っているはずで、私達が彼らを見つけられるようにその技術を使っているかもしれません。

Credit: pixabay

チームは望遠鏡のデータをくまなく探しました。そして最初の調査を通過したものの中に、有望に見えるものが2,3個ありました。しかし、続く調査では除外せざるを得なくなったのですが。宇宙線による偽陽性は、2度めの複数段階解析の過程で取り除かれたのです。

有望だった候補は、宇宙線、星による輝線、輝線による大気の発光で説明がつきました。結局宇宙人はいなかったようです。まぁ、わかっていましたが…。しかし、この研究には他にも目的がありました。

地球外知的生命を探索するブレイクスルー・リスン・プロジェクトの一環として、自動惑星検出望遠鏡が観測する数百以上の天体を、将来同様に解析するための基礎となるのです。

 

デビットくんの挑戦は、空振りに終わったのですが、その過程で得られた方法論は次の研究で生きることになるでしょう。現在プリンストン大学に通う若き天文学者が、将来、地球外文明とのファーストコンタクトを果たすかもしれません。まさに期待の星々です。

異星文明の巨大構造物?奇妙な減光を示す2つ目の星が見つかる

referenced: Science Alert / written by SENPAI

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