プラネット・ナインは存在する? いよいよ状況証拠が固まってきた模様

space 2019/03/02
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Point
■太陽系外縁部のカイパーベルト天体の軌道が偏りを持ったクラスターを作っていることから、プラネット・ナインの存在が予言されている
■新たな解析法でこの偏りを決定づけることで、プラネット・ナインが存在しないとする仮説の可能性が0.2%と低くなる
■プラネット・ナインは以前の見積もりよりも、軌道が内側にあり、質量も軽めだと予想される

かつて太陽系は、単純に説明することができました。限られた惑星と衛星しか見つかっていなかったからです。

しかし観測機器の性能向上と探査機による探査領域拡大によって、次々と新しい天体が見つかっており、知識はどんどん複雑になっています。

今後も準惑星や彗星と小惑星、そしてムーンムーンという変な名前の天体も見つかるかもしれません。そうなれば、プラネット・ナイン(第9惑星)が惑星リストの空欄を埋めてくれる日も、そう遠くはないかも…。

プラネット・ナインの存在を最初に予言した研究者マイク・ブラウン博士が新たな研究で、カイパーベルト天体の妙な軌道を説明するためにはやはり、大きな天体の重力による影響が必要となる可能性が高いことを示しています。研究は、「Physics Reports」と「The Astronomical Journal」で発表されています。

浮かび上がるプラネット・ナイン存在仮説

冥王星ファンにとっては、ブラウン博士は枕を濡らした涙の原因となった研究者でしょう。なぜなら、冥王星を惑星のリストから追放した張本人だからです。しかし、ブラウン博士の最近の研究によって、奇しくも空欄になった第9惑星を埋める、太陽系外縁を回る天体の存在が浮かび上がってきたのです。

そのきっかけは、冷たい氷の世界である太陽系外縁のカイパーベルト天体(KBOs/TNOs)の軌道が、あるべき軌道とは異なっていいたことでした。

理由はいくつか考えられます。たとえば軌道の予測がそもそも間違っていたり、天体のデータにエラーが混じっている可能性、また、もしかしたら見えない大きな質量の存在が軌道をかき乱している可能性もあります。しかし大きな惑星がなくても、小さなKBOsだけの相互作用で軌道の偏りが説明できるとする研究結果もあります。

ここ数年そういった説明を一つひとつ潰していく研究が行われてきており、最後にプラネット・ナイン仮説が残ることが期待されています。

ブラウン博士はカリフォルニア工科大学の共同研究者と一緒に、KBOsの各個の測定における偏りの可能性を決定づける新しい方法を思いつきました。この新しい解析法によると、小さな氷の天体だけで、偏ったクラスターが作られてしまう可能性は0.2%しかありません。なので、何か大きなものが天体を押しのけたと考えたほうがよさそうなのです。

「この解析では、直接プラネット・ナインがあるかどうかを言い表すことは出来ませんが、この仮説を支える強固な基盤となります」とブラウン博士は言います。

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いままで、仮説上のプラネット・ナインは質量で地球の10倍、体積で4倍であり、軌道は冥王星の軌道の75倍外にあるとされていました。最新の見積もりでは、プラネット・ナインの軌道はそこまで遠くなく、また思われていたよりは痩せているようです。質量で地球の5倍であり、系外惑星の分類のスーパー・アースに匹敵します。

軌道は、400から800天文単位(AU)の楕円軌道をとるとシミュレーションされています。冥王星の軌道が30AUから50AUで、現在確認されている太陽系天体で最も遠いものが、「ファーファーアウト」の140AUです。

プラネット・ナイン仮説を支持する重要な証拠が示されたわけですが、それでも状況証拠にすぎません。確定するには実際にプラネット・ナインが観測される必要があります。プラネット・ナインはもし存在するとすれば、観測可能な天体です。ただ、非常に観測が困難であるとは言えます。ですが、研究者は、今後10年以内にも見つけたいと楽観的です。

 

その存在について議論が二転三転しているプラネット・ナインですが、その存在についての状況証拠は固まってきているようです。観測機器が大型化し、大規模な掃天観測の計画もあることから、もし存在するのであれば将来見つかる可能性は高まってきていると言えるかもしれません。

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reference: Science Alert / written by SENPAI

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