性転換ビーム!?緑色の光を当てるとメダカの性別が変わることが判明

biology 2019/03/04
Credit: Photo ac
Point
■緑色の光を当てて飼育するとメダカが性転換することを発見。
■性転換した元メス(新型のオス)と普通のメスから子どもができたが、子どもは全てメス。
■植物の葉が緑色なのは光合成の効率アップのため。

性別の境界線がますますあやふやになりそうです。

なんと、緑色の光で魚が性転換することがわかりました。この世界初の発見を成し遂げたのは、鹿児島大学大学院 博士課程の1年生です。研究は雑誌「Scientific Reports」で発表されました。

Green light irradiation during sex differentiation induces female-to-male sex reversal in the medaka Oryzias latipes
https://www.nature.com/articles/s41598-019-38908-w

実験では、メスのメダカに緑色の光を当てて飼育。すると、メスのメダカに精巣ができ、オスとしての第二次性徴がみられました。メスからオスに変わったメダカは「新型のオス(neo-male)」と呼ばれています。

さらに「新型のオス」と普通のメスを交配させたところ、生まれた子どもは全てメスでした。この「新型のオス」と普通のメスの性染色体は、どちらも「XX」です。過去にナゾロジーでも雌同士のマウスで子どもが生まれたというニュースを紹介しましたが、今回の研究で、遺伝子上は女性同士の夫婦でも、子どもができる可能性が増したといえるのではないでしょうか。

Credit: kagoshima-u

これまで他の魚でも、暑さなど環境ストレスによって性転換が起きることがわかっていますが、特定の光による性転換は初めての発見です。しかしなぜ緑色の光が性転換を起こすのか、そのメカニズムはまだわかっていません。今後も研究が必要ですが、未知のメカニズムの可能性もあるそうです。

なんで緑色なの?

今回、性転換を起こしたのは緑色の光ですが、緑色は植物の葉っぱなど、よく目にする色です。なにか特別な色なのでしょうか。

植物の葉っぱが緑に見えるのは、吸収されない(反射されている)色が私たちの目に入るからです。光合成はエネルギーの生産方法としては効率の悪い方法なのですが、なんとか光の利用率を上げようとして緑色を反射しています。

青色や赤色の光とは違い、葉の中に少しだけ吸収された緑色の光を、葉っぱの内側で何度も反射させ、葉緑体を何度も通過させることで光の利用率を上げているのです(参考:「 Oxford Academic」)。

一方で、効率が悪い光合成の能力を捨ててしまった植物もいます。つい最近、沖縄で発見された「オキナワソウ」という新種の植物もその一種。この植物は緑色であることも捨て、光合成を行ってエネルギーをつくるかわりに、キノコやカビを根っこから取り込んで消化し栄養にするそうです。神戸大学などによるこの植物の発見は、雑誌「Acta Phytotaxonomica et Geobotanica」に掲載されています。

 

ところで、ヒト以外の哺乳類の目には青色と赤色を感知する細胞しかなく、緑色は認識できません。シマウマの白黒のシマが林の中でも保護色となるのはそのためです。

もし人間にも見えない色があって、性転換する効果を持っていたら…?知らない場所で目が覚めたら性転換していた、なんてことが現実でも起こっているかもしれませんね。

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reference: kagoshima-u / written by かどや

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