頭の怪我でワルくなる? 60%の囚人に頭部の負傷、科学者が犯罪の原因と主張

science_technology 2018/03/21
Credit: Pixabay

犯罪を犯すのは脳のケガのせい…?

脳の専門家による新たな再調査によって、半数以上の犯罪者が頭部に傷を持っており、それが原因で犯罪にかき立てられている可能性が示されました。

Traumatic brain injury: a potential cause of violent crime?
http://www.thelancet.com/journals/lanpsy/article/PIIS2215-0366(18)30062-2/fulltext

調査によると、落下や暴行、交通事故などで頭をぶつけて神経に傷を負い、脳構造が変化した場合、それによって暴力的な犯罪のリスクが高まる可能性が示唆されています。

実際、留置されている60%近い人達が、過去に頭部に負った傷で苦しんでいるとのこと。一般的に頭部の傷で病院に入院するのは、200人に一人程度です。

専門家たちは、囚人が適切な処置を受けることで将来の犯罪を抑えられる可能性があると主張し、学校や病院に、頭部に傷を負った若者が犯罪を犯す前に識別する手伝いをするよう要求しています。

Credit: Pixabay

頭部の傷が犯罪行動につながる主な原因として考えられるのは、自制や衝動制御、親社会的行動を司っている脳の部分に、頭部の傷がダメージを与えているということです。

著者であり、オックスフォード大学の司法精神医学教授であるセーナ・ファゼルはこう言います。「どの部分で損傷が起きているかが問題であるようです。前頭部の損傷は攻撃性へのインパクトが強いようです。頭部損傷の結果の一つとして、注意欠陥多動性障害(ADHD)があります。研究では、ADHDへの治療が犯罪性向を減らし、その結果攻撃性も減少しました。なので、そのような症状の治療は助けとなるでしょう」

しかし専門家の中には、「損傷そのものが犯罪行動をひき起こしているのではなく、頭部に損傷を受ける可能性の高いような環境で育った結果、より犯罪傾向が高くなるのでは」という指摘もあります。相関関係はあっても、因果関係があるかどうかについては、確定したわけではなさそうです。

脳損傷の団体であるHeadWayは、司法プロジェクトによる囚人選別の改善を訴えていますが、その最高責任者であるペーター・マカブは言います。「脳に損傷を負った大多数の人たちは、刑事司法の場に関わることはないでしょう。しかし、脳損傷の影響、例えば、記憶の喪失、衝動性の増加、怒り、抑制力の減少などは法律に従うことを難しくすることもあります。証拠が示しているのは、犯罪者集団において脳損傷が過剰にあらわれているということです。刑事司法のできるだけ早い段階で、脳損傷の識別を行うことが不可欠でしょう」。

 

みなさま、頭部の怪我には気をつけて…。

 

via: The Telegraph/ translated & text by Nazology staff

 

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