マヤ文明の隠された洞窟で1,000年以上手付かずだった遺物が発見される

history_archeology 2019/03/05
洞窟で発見された遺物 / Credit:intriper
Point
■メキシコのマヤ文明の洞窟で、1,000年以上手つかずだった多くの遺物が発見される
■洞窟が最初に発見されたのは1996年だったが、発見した考古学者はなぜかその存在を隠した
■ この発見がマヤ文明の人々の生活の手がかりを得るものとなり、それが現代を生きる私たちにとって生きるヒントともなる

謎が謎を呼ぶ…

メキシコのマヤ文明の遺跡チチェン・イッツァにて、考古学者らが偶然にも150以上の埋蔵物を発見しました。洞窟内の複数の小部屋にて見つかったそれらは、1,000年以上にわたり手つかずであったとのことです。

意図的に「隠されていた」洞窟

「Balamku」として知られるその洞窟システムは、実は1966年に地元農夫によって発見されていました。その後、考古学者のヴィクトル・セゴビア・ピントがそこを訪れ、その遺物の存在について記しています。しかし、セゴビア氏はその場所を掘り起こすことなく、農夫に入口を塞ぐことを指示したため、洞窟についての手がかりは消え去ったと思われていました。

その後洞窟は50年以上閉ざされていましたが、2018年にギレルモ・デ・アンダ氏率いる調査チームが付近の地下水面の調査をしている際に再発見されます。そして狭いトンネルの先に彼が見つけたのは、保存状態が完璧な手つかずの香炉、壺、装飾された皿などといった遺品の数々でした。

洞窟で発見された遺物 / Credit:intriper

デ・アンダ氏は、「言葉になりませんでした。涙がこぼれました。チチェン・イッツァの多くの遺跡を分析してきましたが、この洞窟に初めて1人で入ったときの感動は、これまでと比較できないものでした」と語っています。

しかし、なぜセゴビア氏がこのような素晴らしい発見を隠そうとしたのかについては、いまだに議論が交わされています。その結論は出ないままですが、彼のその行動がマヤ文明の謎に迫る「セカンド・チャンス」を、意図せず考古学者たちに与えたことも事実です。

考古学は「未来」に向けた学問である

チチェン・イッツァ カスティーヨの神殿 / Credit: Bjørn Christian Tørrissen

今後さらなる研究により、マヤ文明を滅亡に導いたとされる大規模な干ばつの詳細について何かが分かるかもしれません。このエリアは大きな気候変動の影響を受けやすい場所である一方、1,000万人~1,500万人の住処を作り出すためのマヤ低地の過剰な森林伐採が、かえってそこを住みにくい場所に変えてしまったと指摘する研究者もいます。

考古学者のフレデリック・ヒーバート氏いわく、そうした過去のサイクルを知ることは、現代における生活にも役に立つとのこと。彼は、「そうした洞窟やセノーテを調査することで、未来への持続可能性といった観点から、環境のベストな活用方法はどんなものなのかといった教訓を学ぶことができます」と語っています。

デ・アンダ氏も、こうした観点から考古学が「役に立つ」科学であることを信じています。彼は、「素晴らしい歴史の背景を理解し始めたとき、私たちは人類が歩んできた道を知ることができ、最もドラマティックな瞬間の1つの中で、地球に何が起こっていたのかを知ることができます。そして私たちはその逆の行動を実践することができるのです」と語っています。

【編集注 2019.3.6】
記事内に一部誤表記があったため、修正して再送しております。

世界一大きな水中洞窟が発見、マヤ文明への手がかりか

reference: nationalgeographic / written by なかしー

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