自転軸の傾きがスゴイ太陽系外惑星の謎が解明される 

space 2019/03/07
credit:pixabay
Point
■スーパーアースは多くの場合、予想よりも離れた軌道をとることがわかっており謎とされていた
■軌道が引き離されるのは、自転軸の極端な傾きにより潮汐力が熱に変換されて弱まるためであることがわかった
■自転軸が急だと四季の変動が激しくなるため、生命の存在にも関わってくる

多くの太陽系外惑星は、奇妙な軌道を取ることが知られています。天文学者たちは約10年に渡って、軌道が「引き離される」謎を解明しようとしてきました。

今回、イエール大学の研究者たちがその謎を解き明かしたかもしれません。系外惑星の自転軸が大きく傾いているのがその原因だというのです。

この発見は、地球のような惑星を探査している研究者たちにとっては、その構造や気候、生存可能性を予測する際に大きな影響を受けることになるでしょう。研究は、「Nature Astronomy」で発表されています。

Obliquity-driven sculpting of exoplanetary systems
https://www.nature.com/articles/s41550-019-0701-7

軌道が引き離されるのは潮汐力が関係

NASAのケプラー宇宙望遠鏡によるミッションで、太陽に似た星の30%がスーパーアースを有していることを明らかしました。スーパーアースは地球よりも大きく、海王星よりも小さな惑星で、ほぼ円形の平面上の軌道をとり、100日以下の周期で公転しています。ここで面白いのが、こういったスーパーアースの多くが、自然に安定する軌道よりも外側に振れていることです。

イェール大学の天文学者サラ・ミルホランド氏とグレゴリー・ラフリン氏は、「そこに軌道面と自転軸のあいだの大きな傾き」が関わってくると述べています。

潮汐力(起潮力)の説明 / Credit: data.jma

「惑星が大きな自転軸の傾きを持っていると、傾きが少ない場合や無い場合に比べて、潮汐力がより効果的に働いて、軌道エネルギーが惑星の中の熱エネルギーとして消耗されます。こうして多くの潮汐力が失われることで、軌道が引き離されるのです」

また多少違いますが、似たような現象が地球と月の間でも見られます。潮汐力が失われることで月の軌道は離れていきますが、一方で地球の一日は次第に伸びていきます。

系外惑星の自転軸の傾きが大きいと…

系外惑星の地軸が極端に傾いていると、その性質も変わってきます。気候や天気、全惑星的な循環システムなどは、大きな影響を受けるでしょう。地軸が急だと、四季の変化も極端になります。

系外惑星が外側に公転軌道を取る謎は、自転軸の極端な傾きに原因があるとの結論が導かれました。太陽系の惑星でも、天王星のように極端な自転軸の傾きを持つものや、金星のように公転に逆行するものまで様々です。

 

スーパーアースが軒並み極端な自転軸を持つなら、なぜそうなるのか疑問が湧いてきます。また、四季が極端な環境の中で生物は生きられるのでしょうか。次なる研究の成果が待ち遠しいですね。

何百億もの浮遊惑星が銀河を漂っているかも 太陽系にも追い出された星が?

reference: Yale News / written by SENPAI

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