星の大部分が長時間隠れる!?奇妙な星食を発見

space 2019/03/07
Credit: GrandpaFluffyClouds/reddit
Point
■440光年にある赤色矮星に、期間が長く、非対称な最大で80%の減光を示す星食が観察される
■光度のグラフパターンは、輪を持った惑星による星食に似ている
■残念ながら、異星文明による巨大構造物である可能性は低い

宇宙の謎がまた増えました。タビーの星のような恒星の減光が見つかったのですが、その過程がとても奇妙なのです。

発見されたのはEPIC 204376071。地球から440光年にある星で、その減光は80%もの低下を見せ、一日中続きました。この減光を引き起こしたのは、輪を持つ巨大な惑星かもしれません。研究は「Monthly Notice of the Royal Astronomical Society」で発表されています。

今回発見された減光では、光の大部分がブロックされています。異星文明の大規模構造物の疑いのある有名なタビーの星の減光でも、22%に過ぎません。EPIC 204376071が面白いのは、始まりが突然で80%もの光が遮蔽され、遮って動いていたものが何であれ、光が回復するまでの動きがゆっくりだったことです。

専門的には星食といいますが、この星食は始まりと終わりが非対称であり、出ていくのにかかった時間が、入るときの時間の2倍かかっています。

しかし、タビーの星とは違い、説明を思いつくのに苦労はなく、すでに2,3の説明が上がっているようです(残念ながらその中に、異星人の巨大構造物はありませんでしたが…)

EPIC 204376071は太陽とは異なり、赤色矮星です。質量は太陽の16%ほどしかなく、体積は63%です。太陽の3%ほどの明るさしかありません。有効温度はおよそ3000Kです。若い星で誕生してから1000万年しか経っておらず、フレア活動も活発です。

非対称な星食は以前も観察されたことがあります。ただ、恒星ではなく、惑星候補においてです。2017年にその星食のパターンが、傾いたリングを持った天体と一致することがわかり、惑星候補のKIC 10403228は輪を持つことが示されています。その時の光度の変化を示したグラフと、今回のグラフはとても似ています。

左が今回の星食の光度変化、右がKIC 10403228 (Rappaport et al., MNRAS, 2019; Aizawa et al., The Astronomical Journal, 2017)

恒星は輪を持ちません。しかし、恒星を回る褐色矮星や巨大な惑星は持つ物もあるため、今回のグラフと似たパターンを示すでしょう。そのため、研究者達はEPIC 204376071を星蝕したのは輪をもった巨大な惑星であるとするモデルを提案しています。モデルによる光度のグラフと観測によるグラフは奇麗に一致します。

ですが、このモデルも完璧ではありません。モデルでは、惑星の公転周期は28日で太陽と地球の距離の10分の1にあることになります。しかし、実際のデータでは星食は160日の観測で1度しか見られていません。つまり、周期が80日以下になることはないのです。

もう一つの可能なモデルは、恒星と私達の間に、先頭が厚く、だんだん薄くなる平面上に広がったチリが通過したというものです。このモデルが示す光度のグラフは、観測によるものとは若干異なります。

左が輪を持った惑星モデル、右がチリのシートモデル(Rappaport et al., MNRAS, 2019)

どちらのシナリオが正しいのか、現在はわかりませんが、確認する方法はあります。輪を持った巨大な惑星が回っているとすると、恒星の視線速度が変化しているはずですし、チリだとすれば光が撒き散らされる様子を、光学機器で観測できるはずです。

 

異星文明による巨大構造物の可能性はなさそうですが、面白い発見であることに変わりありません。謎の減光を示す天体は研究が続く限りこれからも見つかるでしょう。その中に、異星文明の痕跡の見つかる日がそのうち訪れるかも?

自転軸の傾きがスゴイ太陽系外惑星の謎が解明される 

reference: Science Alert / written by SENPAI

SHARE

TAG

spaceの関連記事

RELATED ARTICLE