「MMRワクチンと自閉症との間に関連性はない」最新の調査結果

life 2019/03/10
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Point
■「MMRワクチンが自閉症のリスクを高める」として接種に反対する活動が、ワクチンを接種しない子どもを増やしており、「はしか」が流行している
■ワクチンと自閉症の関係を示した論文は、情報が改ざんされたものであったことがわかっていて、すでに根拠は失われている
■新たな大規模調査が行われ、ワクチンと自閉症の間に何ら関係が無いことが、明確に再確認された

はしか、おたふく風邪、風疹の3種の感染症を予防するMMRワクチン。そのMMRワクチンが自閉症を引き起こすとの噂は根強く残っています。

しかし今回新たに650,000人の子どもたちを対象に調査したところ、ワクチンは自閉症のリスクを高めることもないし、もともとリスクのある子どもの発症につながることも無いことが確認されました。研究は、「Annals of Internal Medicine」で発表されています。

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https://annals.org/aim/fullarticle/2727726/measles-mumps-rubella-vaccination-autism-nationwide-cohort-study

研究者は、1999年から2010年の間にデンマークで生まれた子どもたちを対象に、MMRワクチンが自閉症のリスクを高めるのかどうかの評価を行いました。総数657,461人の子どもを2013年まで追跡し、研究者達は自閉症スペクトラム障害診断や、自閉症の他のリスク因子である両親の年齢や自閉症の兄弟の有無、早産や出生時の低体重についても記録しました。

95%以上の子どもがMMRワクチンを受けており、6,517人が自閉症と診断されています。研究の結果、MMRワクチンを打つことで、もともと自閉症リスクの無い子どもにリスクが高まることはありませんでしたし、リスクを持った子どもが発症を引き起こすこともないことがわかりました。

科学的な答えを提供したいという研究者たちの熱意

「ワクチンが自閉症を引き起こすという考えは未だにあって、ソーシャルメディアで目にすることも多いです。」と著者のアンダース・ヒッド氏は言います。ヒッド氏と研究チームは、反ワクチン団体が大きな声を上げることで有名人や政治家までがワクチンの恐怖を拡大させていることから、きちんとした科学的な回答を提示したかったと言います。

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「この研究の一番の成果は、MMRワクチンのせいで自閉症のリスクを持った子どもが発症に至ることはないと示せたこと」とワクチン教育センターのポール・オフィット博士。自閉症スペクトラム障害のリスクを持った子どものいる家庭に、MMRワクチンにリスクが無いことを実証できると期待を寄せています。

根拠のない論文がワクチンの恐怖を煽る

ワクチンと自閉症に関係があるとする神話は、1998年に「Lancet」誌に掲載された、アンドリュー・ウェイクフィールド氏の研究から生まれました。ウェイクフィールド氏は、MMRワクチンの製造業者を訴えたい法律事務所から報酬を受けており、2010年には医師免許を剥奪されています。「Lancet」誌は調査の末、ウェイクフィールド氏が結論の要となっている12人の子供の情報を改ざん、誤って伝えていたことがわかり、論文を取り下げています。

結果を再現しようと試みられた追試では、ワクチンと自閉症のあいだに何ら関わりが無いことがわかっています。

ワクチンを打たないというリスク

にもかかわらず、反ワクチン活動家は反対する根拠として未だにこの研究を取り上げています。その影響で、現在アメリカ合衆国ではしかの大流行が起きています。世界的にも2017年から2018年の間に48.4%ものはしかが増加しているのです。

オフィット博士は次のように警告しています。「ワクチンを打たないという選択がリスクを回避するわけではないことに気づいてほしいと願っています。その選択はより大きなリスクを取ることであり、残念なことに、現在私達はその大きなリスクに見舞われているのです。」

根拠のないデマが恐怖を煽ることは、私たちの日常でもよく起こることですね。研究者の熱意によって証明された今回の研究成果。この事実が多くの家庭に届き、MMRワクチンを接種する子どもが増えることを願っています。

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reference: CNN / written by SENPAI

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