これは衝撃…音波が「質量」を運ぶとする新たな証拠が示される

quantum 2019/03/08
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Point

■先行研究で超流動ヘリウムを伝わる音が小さな質量とともに伝播することが示されている
■有効場理論を使った数理研究で、他の物質でも音波が質量を運ぶ証拠が示される
■ボース=アインシュタイン凝縮や、地震波での質量の計測によって実証可能と示唆

音波で小さな重力場がつくれるかも…?

コロンビア大学の3人の研究者たちが、「音波が質量を運ぶ」というさらなる証拠を発見。有効場の理論の技術を使って、昨年チームが音波が運んだ質量を計測し、その結果を確認したとのことです。論文は「Physical Review Letters」で発表されています。

長年物理学者たちは、音波がエネルギーを運ぶという事実には確信を持ってきました。しかし、音波が質量をも運ぶという証拠はまだありません。音波が重力場を生み出すという確証は、一見なさそうに思えます。

しかし、昨年アルベルト・ニコリスと共同研究者が、従来の考えが間違っているかもしれない証拠を見つけました。量子場の理論を使って、超流動ヘリウム内部を、音波が小さな質量と一緒に伝播することを説明したのです。

具体的には、振動を量子化した音子であるフォノンが、物質を通じて移動しながら質量を運ぶような方法で、重力場と相互作用していることを発見。新たな研究では、多くの物質においても同様の結果が得られるという証拠が報告されています。

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理論物理学において、特定のエネルギー領域において起こる物理現象を記述するために、本来の理論を「近似的に」再現する理論を有効場といいます。

チームはこの有効場の理論で、水中を伝わる1ワットの音波は、一秒間の間におよそ0.1mgの質量を運ぶことがわかりました。さらに、その質量は音波とともに動く全質量のほんの一部分であり、その際、質量はある場所から次の場所へと移動することを強調しています。

重要なのは、証明に数学を用いたことで、実際に音波が質量を運んでいるところを計測したわけでは無いことです。現実世界においては、運ばれる質量が計測可能な大きさであるボース=アインシュタイン凝縮を用いて、極低温物質に音波を通すという実験となるでしょう。

また、地震によって地球内部を移動する音波で運ばれる質量を測る方法も良いかもしれないそうです。それほどの大音量となると、運ばれる質量も数十億kgにもなり、重力場を計測する装置で可視化できるかもしれません。

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この新たな発見が現実世界でも起きているなら、音波によって重力を操作できる可能性があります。小さな重力場を音波で作り出せるのです。漫画などで重力操作系の異能力が発動すると、なぜかズンという音が聞こえてきたりしますが、あれは重くなった物が出している音ではなく、音によって重力を発生させているのかも…なんて。

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reference: Phys.Org / written by SENPAI

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