Facebook が反ワクチンのデマ情報を取り締まる方針を発表。高校生の証言がきっかけ

society 2019/03/08
Credit: dailymail
Point
■Facebookは、反ワクチン団体の広告や関連ページを、今後おすすめコンテンツとして表示しないことを決定
■米国上院の公聴会での、反ワクチンの母親を持つ高校生の証言がきっかけ
■正確な情報発信により人々の安全を確保することと、言論の自由のバランスを保つことが課題

SNS業界が新たな課題に直面しています。

昨今SNSを通じて広まっている、「ワクチンが自閉症を引き起こす」といった俗説。しかしその因果関係は確立しておらず、反証も多く存在します。

こうしたワクチンに関する誤った情報の拡散に歯止めを掛けるため、Facebookは、反ワクチン団体の広告や関連ページを、今後おすすめコンテンツとして表示しないとする方針を示しました。

ただしあくまでもおすすめコンテンツとして表示しないだけで、ページそものもが削除されるわけではありません。人々がそうしたコンテンツを目にする機会を減らし、正確な情報の伝達を促進することで、ワクチンに対する誤解を防ぐことがねらいです。

きっかけはひとりの高校生

Facebook社がこうした動きを始めたのは、ひとりの高校生が証人として公聴会に招致された日から間もなくのことです。

米国の高校生リンデンベルガーさんは、ワクチン反対を信条とする母親の元に育ちました。成年年齢の18歳に達して法的な意思を示せるようになった時、母親に疑問を抱いた彼は、客観的な情報をインターネットなどで収集。

アメリカ疾病管理予防センターや世界保健機関のウェブサイト、科学論文、全米医学アカデミーなどの機関が公開している情報など、できるだけ公に認められた情報源を見るよう努めたといいます。そして2018年12月には、自らの意思でオハイオ州保健所でワクチン接種を受けることに成功しました。

リンベンデルガーさんは、自分の母親のような人々を食い物にしているFacebookを取り締まるべきだと訴え、「母親としての愛情が、偽りの苦悩を生む計略のために利用されているのです」と証言しています。

 

InstagramやPinterestも後に続く予定

Facebookは今後、反ワクチン関連のサイトをおすすめコンテンツとして表示しないだけでなく、検索予測への表示も停止する予定とのこと。また、ワクチンについての誤った情報を含む広告の表示も、すでに禁止しました。

取り締まりの影響が及んでいるのは、Facebookだけではありません。Pinterestも、「ワクチン」や「ワクチン接種」といったワードの検索を今後禁止する方針であることを先日発表しました。Instagramも、反ワクチン思想を含むコンテンツが、ハッシュタグやおすすめとして表示されないようにする予定です。

世界保健機関やアメリカ疾病管理予防センターはすでに、ワクチンに関するデマを特定・公表していますが、万一こうしたデマがFacebook上に現れた際は、Facebook社はすぐにしかるべき措置を講じる方針です。

さらに同社は、関連ワードの上位検索結果、ワクチンについて議論するページ、関連グループへの招待などにおいて、専門機関によるより正確な情報を人々に提供する方法を模索しているところです。

ですが、こうした動きの一方で、「人々がSNS上で自由な意見を発信できなくなるのでは?」という懸念も…。ヘイトスピーチやフェイクニュースなどの規制を含め、SNSにおける言論統制の問題は複雑です。ワクチンという人の命に関わる重い課題を突きつけられた今、SNS業界は言論の自由と人々の安全のはざまで大きく揺れ動いています。

「自閉症のワクチン原因説」は事実無根。自らの経験に基づいたある医師の主張

reference: dailymail / translated & text by まりえってぃ

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