適応力がスゴイ…。恐竜は小惑星の衝突直前まで繁栄していた?

geoscience 2019/03/17
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Point
■恐竜は小惑星の衝突によって絶滅しているが、衝突前にはすでに衰退していたというのが通説だった
■しかし恐竜の適応能力を考慮して当時の環境から生息可能域をマッピングした結果、広い生息範囲に多様な種が栄えていたことがわかった
■これまで参照された化石記録は、化石化に好条件な狭い範囲で見つかった化石にすぎなかった

小惑星衝突による絶滅の直前、恐竜は長い間、気候変動の影響を受けずに栄えていたことがわかりました。それって通説と逆では…。研究は「Nature Communications」で発表されています。

Ecological niche modelling does not support climatically-driven dinosaur diversity decline before the Cretaceous/Paleogene mass extinction
https://www.nature.com/articles/s41467-019-08997-2

多くの科学者たちの見解は、6600万年前の白亜紀の終わりに、小惑星の衝突と火山活動が集中したことで恐竜が絶滅したというもの。その小惑星の衝突前、恐竜たちは繁栄していたのか、それとも数百万年に及ぶ気候変動によって衰退していたのか議論が分かれています。

以前は、化石記録と数学的な予測から、小惑星の衝突前にはすでに種の数も多様性も減少していた可能性があるとされていました。しかし、北アメリカの環境の変化と恐竜の分布をモデル化した新たな解析によって、隕石の衝突前、恐竜は衰退していなかったことが浮かび上がりました。

恐竜の数がこれまで過小評価されてたわけって…

筆頭著者でインペリアル・カレッジ・ロンドン博士課程のアレッサンドロ・チアレンザは言います。「恐竜たちは白亜紀の終わりまで、絶滅する予兆はかったようです。小惑星が衝突したことで、哺乳類や爬虫類、恐竜の一部であった鳥類に、地球の支配を明け渡したのです。」

「恐竜多くは適応力のある動物であり、白亜紀終盤の数百万年に起こった環境の変化や気候変動に適応する能力を持っていました。この終盤の長期間に渡る気候変動によって恐竜が衰退したわけではありませんでした。」

化石化に必要な条件の影響のせいで、白亜紀終わりの種の数がこれまでは過小評価されていたのです。

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チームは研究対象として、ティラノサウルスやトリケラトプスといった白亜紀後期の恐竜の化石が残されている北アメリカに注目しました。白亜紀には、アメリカ大陸は海によって2つに分断されていました。

西の大陸では、新たに形成されたロッキー山脈から豊富な堆積物が集まってきました。そのおかげで恐竜の化石を生み出すのに完璧な環境でした。一方、東の大陸は化石の形成に適する地理的な条件はまったくありませんでした。

つまり、西側で見つかる多くの化石だけで、小惑星の衝突前の数百万年に恐竜が衰退していたと結論づけていたわけです。

共著者でユニバーシティー・カレッジ・ロンドンのフィリップ・マニソン博士は次のように述べています。「私達が白亜紀後期の北アメリカの恐竜について知っていることの多くは、今日の大陸の3分の1という小さな領域での発見に限られています。しかし、現在、私達は恐竜が北アメリカ全土、アラスカからニュージャージー、メキシコに至るまで、広く活動していた事実を知っています」

恐竜の生態を場所と時間軸でマッピングしてみた

チームは、この化石記録を全体と考える代わりに「生態ニッチモデリング」を採用しました。ニッチとは生物学では生態的地位を表す用語ですが、このモデルは各種族が生き延びるために必要になる温度や雨量といった環境条件をマップ化するものです。

さらに、地形と時間的な変化による環境の様子もマッピングしました。これによって化石が見つかった場所だけでなく、環境が変化しても恐竜が生息できる場所を画像化できるようになりました。

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こうして多種多様な恐竜の生息できる地域が、白亜紀の終わり頃には化石が発見されない場所にまで広がっていことがわかりました。

こういった恐竜が多く生息する可能性のある地域は限られているため、化石が見つかる可能性は低くなっています。

恐竜は意外にも適応力が高く、絶滅するまでは大いに栄えていたようですね。近い将来われわれ人類も同じような大災害で絶滅する可能性もあるということでしょうか。そんな未来、想像したくないですが…。

「恐竜は植物の毒でじわじわと滅亡した」という新説が発表される

referenced: Imperial College London / written by SENPAI

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