男性の精液にアレルギー反応を起こし救急搬送された女性

life 2019/05/05
Credit:pixabay.com
Point
■スペイン在住の女性が、男性パートナーとの性行為後に、アレルギー反応を起こし病院に救急搬送された

■原因は、男性の精液に含まれる液体部分の「精漿」にあった

■精液が原因の「精漿過敏症」は、珍しい症状だが「精漿」に含まれるタンパク質などが原因で起こる危険なものである

夜の営みの際には気をつけよう。…相手の存在は別として。

この度、スペインに住む31歳の女性が、パートナーとの性行為後、強烈なアレルギー反応を起こし病院に救急搬送された。しかも、アレルギーの原因は男性パートナーの精液にあったようだ。

詳細な報告は、3月12日付けで「BMJ Case Reports」に掲載されています。

Anaphylaxis probably induced by transfer of amoxicillin via oral sex
https://casereports.bmj.com/content/12/3/e227398

精液が原因で起こる「アナフィラキシー・ショック」

搬送された女性は、激しい嘔吐と気道閉塞による息切れを起こし、皮膚表面には蜂に刺されたような紅斑が全身にわたり広がっていた。診察を行なったアリカンテ大学病院の担当医によると、女性は「アナフィラキシー・ショック」を起こしていたことが判明している。

「アナフィラキシー」は特定の食費や薬剤、ハチなどによる虫刺されで起こる多原因性のアレルギーで、症状が悪化すると命の危険性もある。そしてこれと同じ症状を起こした女性を詳しく検査してみると、男性パートナーとの性行為、口内での行為が原因だった。

精液にアレルギー反応を起こす症例は「精漿過敏症(seminal plasma hypersensitivity)」という名称で知られており、女性にだけ見られる珍しいアレルギー反応だ。

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この「精漿(せいしょう)」とは、精液のおよそ9割を占める液体部分で、微小な精子に栄養を与え、運ぶ役割をする。「精漿」は様々なタンパク質を含んでおり、その内のどれかが女性の体内あるいは体表でアレルギーを起こすと考えられている。

しかしながら「精漿」に関する研究はあまり進んでおらず、「アナフィラキシー反応」の原因としても見過ごされることが多い。

「精漿」にアレルギー反応を持つ女性は、局部や肌、口というように特定の場所で反応を起こす人もいれば、全身どこに触れてもアレルギーを起こす人もいる。

犯人は「抗生物質」だった⁈

しかし今回の事件で奇妙なのは、女性が過去の性行為においては精漿アレルギーを起こしたことがないということです。今回だけ偶然にも精漿アレルギーにかかったということは考えられない。

実は女性がアレルギーを起こした原因は、精漿と別のところにあった。

パートナーである32歳の男性は、持病の中耳炎治療のために、イブプロフェンとアモキシシリンという抗生物質を日頃から服用していた。事後報告によると、性行為の4時間前にも服用したとのこと。

そして、女性はこのアモキシシリンという抗生物質に対してアレルギーを持っていたことが判明。つまり、男性が服用したアモキシシリンが精液に混入して、それが女性の体内に入り込み、アレルギーに至ったというわけだ。なんと複雑怪奇なルートだろうか…。

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医師の話では、確かに成人に見られるアナフィラキシーの大半は抗生物質によるものだが、今回のように多難な経路をたどってアレルギーに至った事例は世界でも初めて。

現在、女性は幸いにも完全に回復しているとのことだが、医師はこの女性に関わらず「アレルギーを懸念する場合は、コンドームなどの避妊具を使用するべきだ」と指摘している。

 

パートナーとの愛を実感するための性行為は男女ともに至福の時間だが、性感染症といった危険性はつきもの。やはり性格以上に、生物学的な相性という壁もあるのかもしれない。

精子にとって最もよいパンツは「トランクス」であることが判明

reference: sciencealert / written & text by くらのすけ

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