滝を形づくるのは滝そのもの?滝の形成について革新的な発見

geoscience 2019/03/18
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Point
■滝は、地震による隆起や地すべり、海水面の変動といった外部要因で落差が生まれることでできることは知られている
■柔軟なポリウレタンで河床を作り、砂利を敷いて水を流す実験によって、水流そのものによって川床に高低差が生み出され、形成されることがわかる
■滝そのものの力で滝が生まれるメカニズムがわかったことで、地形に基づいた地球史の再考が必要となるかも

滝のある風景は地球上で最も壮大な景色の一つ。その滝が形成されるメカニズムについて、新たな発見があったようです。

滝は従来の考えでは、地震や地すべり、海水面の低下などの外部の力によって、地形や河床が大きく変化することでできるとされています。しかし、他にも原因があることがわかりました。川の流れの持つ、内部の力によっても滝はできるというのです。

カリフォルニア工科大学による新たな研究では、滝が作られる方法について革新的な仮説が提言されています。研究は「Nature」で発表されています。

滝のできる前述した以外の原因は、長らく謎とされていました。というのも、小さな滝の流れの進化が地質学的な時間枠で起こるからです。

そのため研究対象として難しかったこともあり、外部因子によって滝が形成されるという説が有力でした。しかし、難しい現象だからといって解明できないことにはなりません。

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研究者は、滝が自発的に形成される可能性を提唱しました。つまり、滝は水の流れや堆積物の移動、河床の侵食といった内部フィードバックだけで、外部からの干渉や岩石の力によらなくても形成できるというのです。

この説を検証するため、研究室内に小さな川を作って実験を行いました。長さ7.3mの水路で「人工岩盤」にポリウレタンを敷き詰め、斜度を19.5%とった小さな渓谷です。この水路に砂利をしいて自然の岩石の代わりとし水を流しますが、どのような経路を流れるかについては自然に任せています。

ほんの数時間で、水の流れと砂利が柔らかな河床を侵食し始めましたが、その侵食は一定ではありません。

侵食は10センチ単位で様々です。それによって岩盤には凸状の部分とくぼみが連続して作られ、落差が大きくなって周期的な階段が形成されます。

深い水たまりに堆積物が蓄積し、底が侵食されることがなくなる一方で、次の水たまりには連続的に垂直方向への侵食がおこり、底が守られている水たまりと下流の水たまりの間にできた急流が深くなることで、滝は形成されます。

credit:Isaac Larsen

実際、小さな模型では流体力学と堆積物の移動、岩盤の侵食の組み合わせがあれば、柔らかい河床に階段状の地形を生み出すのに十分であり、水が落ちるだけの落差ができれば滝になることが示されました。

実存する滝が、このメカニズムで生まれているという証拠では必ずしもないのですが、可能性を示唆するには証拠としてじゅうぶんです。

 

この滝そのものによる形成のメカニズムと、外部の力による形成を区別することは、地形的な地球の歴史を見直す際の手がかりになると言います。滝や河川、湖などの水による地形がどのように、なぜ生まれたのか、科学的な前提をまるごと見直す必要があるかもしれません。

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reference: Science Alert / written by SENPAI

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