「右利き」のコウイカは性交でも戦闘でも優位に立てることがわかる

animals_plants 2019/03/17
コウイカ / Credit: depositphotos
Point
■コウイカの観察から、性交や戦闘において利き手に準じる性質があることがわかる
■性交でも戦闘でも右利きが有利であるが、性交では右利きが多勢で、戦闘では左利きが多勢である
■側性を多勢に合わせた場合が有利になる場合と、合わせないほうが有利になる場合があるため、少数派の利き手も残っている

左利きの人が悲しみそうなニュースですが、あくまでイカの話ですのでご安心ください。

右利きのコウイカは、性交においても戦闘においても有利であることがわかりました。この研究により、なぜ左利きの人間がなぜいるのかを説明できるかもしれません。論文は「Proceedings of the Royal Society B」で発表されています。

Fighting and mating success in giant Australian cuttlefish is influenced by behavioural lateralization
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2018.2507

性交では右利き、戦闘では左利きが多いが…

研究者はまず、コウイカの性交の成功や失敗例を一通り自然界で観察。その後、実験室で敵やメスをあてがう実験を行い、設置されたカメラで観察しました。

観察結果によると、コウイカのオスは、生殖行動時に多くが右利きであるとのこと。オスは、生殖前になると右目でメスを査定し、右側からメスに近づいていきます。しかし戦いにおいては、まず左から仕掛けるなど、多くのオスが左利きとなります。

しかし、性交の場合でも戦闘の場合でも、うまくいったのは右利きの場合でした。この結果から、なぜヒトの10人に9人が右利きであり、左利きの人がなおも存在しているのかを説明できると言います。いったいどういうことなのでしょうか。

少数派が有利なことも。人間の利き手へのヒント?

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利き手があるのは、なにも人間だけではありません。動物界全域で、共通して好みのサイドをもつ傾向は見られます。この性質を「側性」と呼びます。

しかし、もし片側に適応するように進化したとすると、なぜ種全体がそうならないのでしょうか?逆に、もし側性によって違いがないのであれば、偏りがあるのはなぜでしょうか。

つまり、優勢な側を共有することでメリットが生じる状況がある一方、普通とは異なる共有されていない行動を個体としてとることで、利益を得られる状況というのもあるのということです。

多くのコウイカのオスが右利きだとすると、メスにとってはオスたちに向きを合わせるのが楽になります。というのも、どちらを向けばよいのか容易に想像できるからです。数少ない左利きのオスは、合わせるのに奮闘しなければなりません。メスが彼らの独特なアプローチの向きを予測していないからです。

しかし、戦いにおいては数の少ない利き手のほうが有利になります。というのも、動きの予測がしにくいからです。人間でも左利きの選手はスポーツで有利なことが多いです。

 

…なので、多くのコウイカや人間が、普通の予測しやすい社交的な振る舞いをすることで安全に生きるのに対して、数少ないはぐれものは、逆の行動をとることで一定の利益を掴んでいるのかもしれませんね。

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reference: Live Science / written by SENPAI

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