オオカミは犬以上に共生関係を結べるかもしれない。犬の「人間との協力関係」はオオカミから受け継がれた

animals_plants 2019/03/18
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Point
■犬の人に対する「協力能力」は、祖先であるオオカミから受け継がれた
■人との共同タスクでは、犬が服従的であったのに対し、オオカミは主体的にリードをした
■オオカミも人に慣れれば、犬以上に良い共生関係が結べるかもしれない

犬を超える深い絆を、オオカミと結べる日がくるかもしれません。

オーストリアにあるコンラート・ローレンツ研究所のチームは、犬とオオカミが持つ、人との協力能力を調査。その結果、人と犬の共生関係が、犬の中に眠るオオカミの能力のおかげであると分かりました。

研究の詳細は、3月7日付けで「Scientific Report」に掲載されています。

Wolves lead and dogs follow, but they both cooperate with humans
https://www.nature.com/articles/s41598-019-40468-y

オオカミの主体的な協力スキル

研究では、犬とオオカミの協力行動を調査するために、人とペアを組んで共同作業を行う様子を観察しました。実施されたのは、「ストリング・プリング」と呼ばれるタスクで、人と犬もしくはオオカミが、台の紐を協力して引っ張り、その上に乗った食べ物をゲットするというもの。

食べ物が乗っている部分は、金網の向こう側にあり、それを取るためには、台についている2本の紐を引っ張って手前にスライドさせなければなりません。つまり、紐の片方を人が、もう片方を犬/オオカミが持って、同時に引っ張るのです。

その結果、犬とオオカミはどちらも人との共同作業に成功したのですが、両者の振る舞い方はまったく正反対でした。

というのも、犬がパートナーとなる人の動きを見てから、それに従うように同じことをしたのに対し、オオカミは自分が主導権を握っているかのように、パートナーをリードしていたのです。

オオカミの「黙って俺についてこい」的な姿勢に、パートナーの女性もグッときた…かどうかはわかりませんが、頼もしいリード具合です。

犬の協力スキルは祖先のオオカミから受け継がれた

確かに、現時点での共同作業の円滑さは、人と犬ペアの方がスムーズです。主任研究員のFriederike Range氏によると、これには犬が人に飼い慣らされてきた長い歴史が大きな要因であるとのこと。

人と同じ環境にさらされる内に、犬の攻撃性はなくなっていき、反対に人の言うことを聞く忍耐力が高められていったのです。さらに、人が食料を与えてくれるため、狩をする必要もなくなり、犬は温和で従順な性格となっていきました。

しかし、こうした理由から、「人との円滑な協力関係は犬だけが可能だ」と思いきや、そうではないのです。むしろ、協力する力はオオカミたちに起源があります。なぜなら、オオカミというのは、長い間、自分たちだけで協力して子供を育て、狩をし、テリトリーを守ってきました。

要するに、主体的に協力する能力はオオカミの方が断然高いというわけです。犬は、あくまでも人の指示を受動的に聞くというだけでしょう。

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このことから、研究チームは、犬が人との共生関係の中で「協力スキル」を育んでいったというよりも、犬たちの共通祖先であるオオカミがあらかじめ持っていた能力が基盤となっている、と結論づけたのです。

この仮説をもとにRange氏は「もしオオカミも人間に慣れて、共生関係を築くことができれば、犬以上に良きパートナーとなりうる」と話しています。

 

引っ込み思案な人間と、ガンガン引っ張ってくれるオオカミのペア…なんていうのも素敵かもしれません。

だって恐竜の子孫だし。ニワトリの群れがキツネを惨殺する事件が発生

reference: sciencedaily / written & text by くらのすけ

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