理想の相手は「ニオイ」で探せ!「免疫」に関する遺伝子が似ていない相手ほど理想的という新たな証拠

biology 2019/03/21
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Point
■遺伝的に好ましいパートナーを鼻で嗅ぎ分けて判断する能力をヒトが持つことを示す確かな証拠が見つかった
■主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の組成が似ていないパートナーを魅力的だと感じる傾向がある
■優先傾向が文化的慣行によって覆されることもある

理想的なパートナーを見つけたかったら、鼻通りを良くしておいた方が良さそうです。

パリ第7大学の研究チームが、遺伝的に好ましいパートナーを鼻で嗅ぎ分けて判断する能力をヒトが持つことを示す確かな証拠を発見しました。雑誌「Proceedings of the Royal Society B」に掲載された論文の中で、匂いを通じて他者のMHCを探知する能力についての調査結果が記述されています。

Genomic evidence for MHC disassortative mating in humans
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2018.2664

免疫機能に関係する遺伝子群「MHC」が鍵

これまでの研究では、ヒトを含む動物が、主要な点で遺伝的に似ていないパートナーと交配すると、遺伝的観点から成功を収めやすいことが示されてきました。遺伝的相違の一つに含まれるのが、「主要組織適合遺伝子複合体」(major histocompatibility complex, MHC)、つまり免疫機能において重要な役割を担う遺伝子群の組成です。異なるMHC組成を持つヒト同士が交配して生まれた子は、両親が持つ利点を引き継ぎます。

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近年、ヒトがパートナー候補のMHC組成を「知覚する」能力を持ち、自分と類似性が低いMHC組成を持つ相手を魅力的だと感じる傾向があると、科学者たちは推測してきました。もしそれが本当であれば、その役割を担っているのは嗅覚ということになります。

こうした理論を証明するための試みは幾度も行われてきましたが、それらの結果が大きく異なりました。パリ第7大学の研究チームはこのことを踏まえ、決定的な結果を得るべく、より大規模かつ徹底的な調査を行うことにしました。

異なるほど良いMHC ただし、文化的慣行によって覆されることも

研究チームが用いたのは、アメリカ国立衛生研究所が管理するオンラインの遺伝学データベース”Database of Genotypes and Phenotypes”。ヨーロッパと中東(イスラエル)に住む800組以上のカップルから集めたゲノムデータを分析し、MHCの類似性を調べました。

その結果、平均すると、ヨーロッパ在住のカップルのMHCが、偶然では説明できないほどに似ていないことが判明しました。特に、MHCの違いはオランダ在住のカップルでもっとも目立ち、反対にイスラエル在住のカップルではMHCの相違があまり見られませんでした。

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これらの結果から、ヒトが他者のMHCを嗅ぎ分け、MHCの類似性が低いパートナーを選ぶ能力を持っていることが、はっきりと分かります。その一方で、イスラエルのカップルのケースのように、こうした優先傾向が文化的慣行によって覆されることも。中東では、社会的立場や家庭の慣習などにより、パートナーの選択が制限される場合があります。

 

そうは言っても、「自分は鼻が利かない」、「鼻炎持ちで…」という方もいるでしょう。もし婚活サービス会社が、登録者のMHC組成を調べてプロフィールに追加するサービスを導入したら、結構好評を得るかもしれませんね。

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reference: phys.org / translated & text by まりえってぃ

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