お片付けチュウ!真夜中に「勝手に片付く作業台」の意外な犯人とは

animals_plants 2019/03/25

Point
■1匹のネズミが真夜中に、倉庫内の散らかった作業台の上を健気に片付ける様子が動画に撮影された
■行動の背景には、物を溜めてはそれらを埋め、環境を操作する習性が関係
■特定の行動特性は他の特性より遺伝しやすく、病気や捕食を防ぐために清潔さを保つこともその1つ

「昔々、あるところに1匹のねずみが住んでいました。とてもきれい好きなねずみは、家の中のお片付けを日課にしていました—。」

…そんな物語の冒頭が浮かんできそうです。

あるネズミが真夜中に、住処にしている倉庫内の散らかった作業台の上を健気に片付ける様子が動画に撮影され、世間をびっくり&ほっこりさせています。

ネズミの不思議な行動の背景には、どうやら物を溜めて環境を操作する習性があるようです。

朝起きると作業台が勝手に片付いている!? 暗視カメラで捉えた謎の正体

撮影者は、イングランド南西部のグロスタシャー州に住む年金生活者のステファン・マッケアーズさん。「自宅の倉庫にある作業台の上に置いた金属製の道具などが、朝になるといつも道具箱の中に戻っている」という謎の現象が毎晩のように続いたため、暗視カメラを設置して、原因を探ることにしました。

Credit: ITV News

翌朝、撮影した動画を見たマッケアーズさんはびっくり。その正体は、なんと1匹のネズミでした。

道具箱の中からひょっこり姿を現したかと思うと、作業台の上に散らばったネジ、爪切り、金属の鎖などを1つ1つ拾い上げては、箱の中に戻していくネズミ。まるで片付けをする人間のようです。

「穴掘り」だけじゃない 「物を溜めて環境を操作する」習性も持つげっ歯類

実は、衛生上の理由で生活圏をきれいに整える生物は珍しくありません。ミツバチは巣の中から死骸を除去し、オスの魚は卵に付着したカビや泥を取り除くことが知られています。鳥もまた、求愛ダンスを披露する「舞台」の上に散らばったゴミを片付けます。

一方で、こうした習性を持たないげっ歯類の生得行動には、別の習性が関連しています。

北米に生息するPackrat(モリネズミ)は、光る物、石ころ、木片などを集めて巣の中に持ち込み、文字どおり”Pack”する(詰め込む)習性を持っています。また、ネズミの中には、食糧が豊富な時期にそれを溜め込み、食品貯蔵庫としてキープするものも。

Credit: pixabay

このように、げっ歯類の多くには、縄張りの中で見つけた珍しい物体を土に埋める習性がありますが、これは彼らが持つ穴掘りの習性が発展して生まれたものだと考えられています。穴を掘るのが大好きなげっ歯類にとって、掘りたいという衝動は行動レパートリーの重要な部分を占めています。

また、ネズミは寝床を整える習性も持っています。撮影されたネズミの行動も、「物を溜めてはそれらを埋め、環境を操作する」という自然な反応の延長線上にあるものなのかもしれません。動画のネズミの場合、縄張りの中に置かれたさまざまな物に混乱して、自分が安全だと判断する場所、つまり道具箱の中にそれらを隠したのでしょう。

人間の身の回りを片付ける行動特性は遺伝しやすいらしい

一方人間には、「整理整頓」が得意な人間とそうでない人間がいます。

身体特性と同じように、行動特性に影響を与えるのは環境だけではなく、遺伝することもあります。特定の行動特性は、他の特性より次世代に引き継がれやすい傾向があり、病気に掛かったり天敵に食べられたりするのを防ぐために清潔さを保つこともその1つです。

時に私たちは、「人間は他の生き物よりも優秀・高等だ」という幻想を抱きがちです。ですが、ダーウィンが唱えたように、人間と他の動物の心の違いは、程度の違いであり、種類の違いではありません。身の回りを片付けて整然と保ち、病気や危険から身を守り、食べ物や貴重品を安全な場所にキープする…。人間も他の生き物も、していることは基本的に同じですね。

Credit: depositphotos

一方で、環境を整えることが、生存の観点からもかなり重要なことが分かります。「猫の手も借りたいくらいに忙しくて、家の片付けができない」と、ボヤいているそこのあなた。案外、手を貸してくれるのは、ネズミかもしれません。

でも家の中にネズミが現れたら、自分の中の「お片付けエンジン」が一気にフル回転しはじめるかもしれませんが…。

アメリカで話題の「こんまり」式片付けテクニック! 心理学的メリットも

reference: sciencealert / translated & text by まりえってぃ

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