コインハイブ事件に無罪判決、なおサイバー犯罪は過去最多の模様

science_technology 2019/03/27
Credit:pakutaso
Point
■コインハイブ事件の被告に無罪判決
■ネット関係の法整備が遅れている事が浮き彫りに
■Coinhiveは今月閉鎖している

被告が被害者って呼ばれてるし、もうこれわかんねぇな……

自身のサイトに仮想通貨マイニングソフト「Coinhive」を設置したことで不正指令電磁的記録 取得・保管罪(通称:ウイルス罪)を問われていたモロ氏(@moro_is)に横浜地裁が無罪を言い渡しました。

この事件は「コインハイブ事件」として、インターネット上で有名で。特にプログラマーやWebデザイナー、法の専門家などから高い感心を集めていました。

コインハイブ事件の顛末

「サイト利用者に無断で、利用者が意図しない動作(マイニング)を行っていた」ことで複数の検挙者が出ていた今回の事件。ネット上でも長い間話題となっていました。

しかし、「無料サイトの広告も勝手に表示されているが、一体Coinhiveと何が違うのか」など様々なツッコミも入っており、インターネット利用者やプログラマーなどが萎縮する事態となっていました。

そんな中、さらにウイルス罪について疑念や懸念が噴出します。

2019年3月に、13歳の女子中学生がジョークサイトのURLを掲示板に書き込んだことで、兵庫県警に補導される事件が発生。さらに警察のインターネット犯罪検挙のやり方や、その判断基準に対する疑念が加速する事態に…。

さらに、日本ハッカー協会は、「どんなプログラムがウイルス罪にあたるのかまったく分からない」「適用範囲が広すぎて正当なプログラムの作成や使用、提供にも影響が及びかねない」という声を受け、摘発された被害者の弁護士費用の寄付を募りました。

そして3月27日、横浜地裁は弁護側の主張を認め、無罪判決を言い渡しましたのです。

この判決により、少なくともCoinhiveに関連した技術の利用については問題なく行うことが出来る見込みが高くなりました。またインターネット上では、依然としてウイルス罪の存在の是非や、警察の取り締まりに意義を唱える人が出ています。

コインハイブ事件は氷山の一角?

警察庁は先月2月14日、去年のサイバー犯罪の検挙件数の速報値をTwitter上で公表しました。

国内のサイバー犯罪検挙件数の推移。年々僅かに増えているCredit:警察庁

警察庁の広報資料「平成30年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、昨年のサイバー犯罪の検挙件数は約9000件、そのうちウイルス罪と呼ばれている不正指令電磁的記録は350件ほどで、全体の約4%を占めていました。

不正司令電磁的記録はここ数年で増えており、コインハイブ事件もここに分類されます。この中には検挙され、裁判を起こさず略式起訴を受け入れた人たちもいるため、そのような人たちの救済も今後の課題です。

さらに不正司令電磁的記録以外でも似たような現象が起こっている可能性があり、サイバー犯罪の関連法整備と取り締まりに関しては、今後も問題が山積みとなりそう。

また、事件の名前にもなっているCoinhiveは、3月8日にマイニングサービスを終了しており、4月末に完全終了する予定とのことです。

1つ大きなピリオドのついたコインハイブ事件ですが、問題の根本解決はまだ遠そうですね…。

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reference: bengo4 他 / written by 白大根

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