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殺人事件と間違われて…。2000年前のリアルすぎる遺体「トーロンマン」とは (2/3)

2021.01.27 Wednesday

2019.04.01 Monday

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自然が生んだ良質な「冷蔵庫」

沼地というのは、排水効果がなく水分量が豊富に保たれるので苔がよく育ちます。そして数千年をかけて「ミズゴケ」が沼地に堆積するようになりました。この「ミズゴケ」が実にいい仕事をするんですね。

「ミズゴケ」は雨水をよく吸うので、沼地をより豊潤に保つことができます。そして枯れると、大量の酸を放出し始めるのです。この酸がバクテリアといった微生物の繁殖を妨げ、遺体を守ることに一役買っていたとのこと。

Credit:wikipedia.org

さらに沼地はミネラル分を豊富に含む一方で、酸素はわずかしかありません。つまり遺体の酸化を防ぐことができるというわけですね。それからデンマークの低い気温も相まって、良質な防腐保存の環境が整っていたんです。

肌が生きているかのように艶っぽく保たれていたのはそのおかげでしょう。沼地さえあれば乾燥知らずのニベアいらず、まさに自然が生んだ高性能冷蔵庫と言えるでしょう。

次ページ「トーロンマン」は生贄に捧げられた?

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