「笑い」はお金のかからない最高の健康法

psychology 2019/05/01
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Point
■「笑い」は人間関係や社会的交流を円滑にするための「共同体的な役割」がある■一方で「笑い」の中には脳神経の異常で生じる病的なものもあり、悪化すればうつ病にも

■それでも「笑い」には多くの健康的効果があり、精神を安定させる神経伝達物質を生み、脳内のセロトニンレベルを高める

「笑い」にそんな意味があったとは。

「人間は笑う力を授けられた唯一の動物である」という言葉もあるように、生きていく上で「笑い」は必要不可欠です。

しかし「笑い」がいつも変わらず健全で、ポジティブな意味合いを持つとは限りません。「愛想笑い」やくすぐられて起きる「刺激性の笑い」、ドラッグにより誘発される「不気味な笑い」、精神疾患に伴う「病的な笑い」まで様々です。

今回は「笑い」に関する3つの大きな特徴ー社会性・ダークサイド・健康的な効果ーをご紹介しましょう。

「笑い」の社会的な役割

「笑い」や優れたユーモア感覚というのは、社会にうまく適応するには必須となります。円滑な人間関係を保つには、初対面の人に笑顔で接したり、目上の人に愛想笑いをすることが大いに役立つでしょう。

これは人間に限ったことではありません。サルや霊長類でも、自分の生存を優位にするために「クスクス笑い」を発達させていることがわかっています。

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このことから「笑い」には、仲間内の絆を強固にし潜在的な争いを消失させる効果があると言えるのです。しかも「笑い」は、複数人で笑う方が感情的な深みもより一層生まれることが判明しています。

一方で孤独に徹すると「笑い」の回数は必然的に激減していきます。もちろん一人でも笑うこともあるかもしれませんが、街中で見かけるとちょっと不気味です。

「笑い」のダークサイド

「笑い」には脳神経の異常による病的な笑いがいくつか存在します。例えば「情動調節障害(pseudobulbar affect syndrome)」は、本人の意思に反して突発的に生じるコントロール不能な笑いです。

それから、他人から笑われることに異常な恐怖を抱く「ゲロトフォビア」、反対に笑われることに快感を覚える「ゲロトフィリア」、また他人を笑うことに喜びを感じてしまう「カタゲラスティシズム」などがあります。

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こうした精神疾患としての「笑い」は、悪化すれば「社会不適合」から「うつ病」まで深刻化することもあるのです。病的笑いは基本的に脳神経回路の異常配線によって生じます。

例えば前頭葉は、言葉の文字通りの意味を社会的あるいは感情的なコンテクスト(文脈)の中で解釈することを可能にしています。そのおかげで、メタファーや皮肉を理解することができるわけです。しかしこの前頭葉の回路に異常が見られれば、皮肉めいたユーモアを正しく理解することができず、相手との会話も成立しなくなるのです。

「笑い」の健康的な効果

「笑い」のダークサイドをご紹介しましたが、一般的にはやはりポジティブ効果を持ちます。「笑い」は悲しみや怒りの感情をひっくり返す力を持っており、笑うと同時にむせび泣いたり怒ったりはできません(竹中直人を除く)。これは表情筋や声帯の機能が「笑い」の運動に乗っ取られるためだと言われています。

さらに「笑い」は身体的な健康にも効果バツグン。笑うことで心臓血管の機能が高まり、体内の免疫・内分泌系システムを強くする働きがあることが証明されています。

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科学的な説明によると、これは「笑い」によって脳内のセロトニンレベルが上昇し、精神を安定させる神経伝達物質が生み出されるためなんだそう。つまり一銭もかからない最高の健康療法というわけなんです。

「笑い」はまさにプライスレスな魔法の治療薬なんですね。

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reference: scientificamerican / written & text by くらのすけ

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