さすがTESSさん。「太陽系外彗星」がNASAの最新鋭宇宙望遠鏡で発見される

space 2019/04/03
Credit: ESO/L. Calçada
Point
■NASAの系外惑星探索用の宇宙望遠鏡TESSがケプラーに変わって打ち上げられてから1年
■がか座ベータ星という若い星をTESSが観測したデータから独特の光度曲線が見つかり、彗星の特徴と一致
■今後もさらなる系外彗星の発見は続くと考えられる

太陽系以外の恒星の彗星も、なんと宇宙望遠鏡を使えば観測できちゃうんです。

NASAの最新宇宙望遠鏡TESSの主要な任務は、太陽系外の惑星を見つけること。しかしTESSの能力はその任務だけには収まらないようです。運用が開始されてからまだ1年も経たないTESSですが、そのデータの中に太陽系外の彗星のものと思われる光度曲線が見つかりました。

見つかった光度曲線は独特の形をしており、1999年に出版された論文で彗星が示す光度曲線として予言されていたものとぴったり一致しています。発見は、「arXiv」で発表され、査読のある科学誌「Astronomy & Astrophysics」に投稿中です。

A transiting exocomet detected in broadband light by TESS in the β Pictoris system
https://arxiv.org/abs/1903.11071

系外彗星が存在することはすでにわかっていました。彗星による星の電磁波のスペクトル変化が観測されているためです。彗星が星と地球の間を通過すると、彗星の化学特性によって電磁波の性質が変わるため、その存在が暗示されます。

がか座ベータ星で彗星を発見

今回発見が行われた恒星は、63光年にある、がか座ベータ星という年齢が2千万歳という若い星です。ディスクに覆われており、そのディスクの中に何百もの彗星がスペクトル分析で見つかっています。しかし、光度曲線というもっと直接的な検出はなされていませんでした。光度曲線が示しているのは、尾を持つ彗星という形態的特徴です。

系外惑星をトランジット法で見つけるとき、その光度曲線は惑星が食に入るときと出るときで対称的なパターンを示します。しかし彗星の場合は様子が違います。

彗星は食(しょく)への入では急激に光度が下がり、抜けるときは徐々に抜けていくという非対称なパターンを示します。このパターンは、彗星が尾を持つことに原因があるのです。…とすると、この曲線から尾の長さとかもわかりそうですね。

Credit: Aieba et al., arXiv, 2019

TESSの能力でさらなる系外彗星が見つかる可能性

このような系外彗星イベントは、以前TESSの前任であったケプラー宇宙望遠鏡のデータの中では3度見られています。しかし、それは10年の運用が終わる最終段階においてでした。それに比べるとTESSは系外衛星探索に向いています。

ケプラーは太陽のように形成から年数が経っており、惑星が形成されていると考えられる星を重点的に探していました。しかしTESSは、年齢によって選別することなく、若い星も観測するという戦略をとっています。若い星のほうが彗星も多く存在するため、系外彗星の発見は今後増えていくでしょう。

彗星については、それが広い星系に渡って存在するのか、まだわかっていませんし、本当に星の年齢とともに少なくなっていくのか、確認はとれていません。系外彗星が多く見つかることで、こういった疑問は解消されるでしょう。

研究者たちは、系外彗星についてその構成成分も知りたいと考えています。彗星は地球に水をもたらした主要な要因であるとは、考えにくいと言います。しかし、他の星系では違う可能性もあるのです。

 

彗星は惑星なんかに比べると、そのサイズはずっと小さいため、トランジット法による検出はかなり難しいものと思われます。それを見つけてしまうTESSさんかっけーす。これからもどんどん系外惑星や系外彗星を見つけてくれるでしょう。

とことん光るタイプ。恒星も光を反射していることを発見!

reference: Science Alert / written by SENPAI

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