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入ってますよ!ヤドカリは貝殻を振動させて相手を追い払う

2021.01.27 Wednesday

2019.04.06 Saturday

Credit: pixabay
Point
■ヤドカリは、自分の貝殻を奪おうとする敵を「振動」によって追い払う
■貝を奪おうとするヤドカリは、振動の「強弱」で相手の強さを判断する
■振動は単なる撃退専用ではなく、自分の意思を伝えるコミュニケーションでもある

ヤドカリにはバイブ機能があったんですね〜。

ダートマス大学の研究チームの研究で、ヤドカリは敵のヤドカリを撃退する際に、自らの貝殻を振動させることがわかりました。振動には強弱があり、その強さによって貝を奪おうとするヤドカリは退散するか戦うかを判断するようです。

さらに振動の役割は、単なる撃退以上にヤドカリ同士の大切なコミュニケーションとして働いています。実験の様子をおさめた映像はこちら。

研究の詳細は、4月3日付けで「Biology Letters」に掲載されています。

Get off my back: vibrational assessment of homeowner strength
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsbl.2018.0819

振動は大事な「コミュニケーション」

コスタリカ・オサ半島のビーチで行われた実験では、太平洋に生息するヤドカリ(学名:Coenobita compressus)に協力してもらって、振動の効果を調査しました。

チームは、定点カメラを設置して、砂浜の円中心に置かれた貝殻を1匹のヤドカリが奪おうとする様子を撮影しました。置かれた貝殻の中身は空っぽで、代わりに強さを調節できるミニチュアの振動装置を入れています。

この装置で自由に振動の強さを変えてみた結果、振動が「弱」のとき、ヤドカリは少し思案してからその場を離れました。反対に「強」の場合は一目散に飛びのいて逃げ出したのです。その違いは動画でもしっかりと確認できますね。

実験方法の様子/Credit:royalsocietypublishing

研究チームのマーク・レードル氏は「ヤドカリは魅力的な貝殻を見つけたら、持ち主が弱っているかどうかを観察し、奪える隙を常にうかがっている」と話します。それから相手の背中に飛び乗って、中にいる宿主の状態を振動でチェックするのです。

つまり振動が弱ければ中にいる主も弱く、強ければ強敵だと判断するというわけですね。

レードル氏によれば、ヤドカリは貝を揺らすことによって「まだ住んでますよ」とか「出て行くつもりはないですよ」といった気持ちを相手に伝えているんだそう。振動は、ヤドカリ同士の大切な会話として成り立っているのでしょう。

ただし、振動で平和的に解決できないときも多々あるそうで、ときには激しい争いに発展していくこともあるんだとか。ヤドカリの家探し事情も、かなり混み入っているご様子です。

reference: theguardian / written & text by くらのすけ

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