猫は「自分の名前を聞き分けられる」と科学的に証明される 

animals_plants 2019/04/05
Photo credit: stratman² (busy-taking care of Joey) on Visual Hunt / CC BY-NC-ND
Point
■犬やイルカなどは人間の言葉を理解していることが科学的に証明されているが、猫についてはされていなかった
■猫に、自分の名前と名前に似た単語を聞かせた結果、名前が呼ばれたときの反応が高まっていることが観察される
■猫は名前を呼ばれたという状況を分かっているが、それに反応するか無視するかは気分次第

ご主人(下僕?)からすると常識かも。

猫は名前を呼ぶと反応を示したりそっけなく無視したり、いまいちわかりにくいものです。犬やイルカなどが人間の言葉の一部を理解していることは確かめられていますが、猫についてはこれまで科学的な証明はされていませんでした。

というわけで、猫が自分の名前を理解しているのかどうか、上智大学の斎藤慈子准教授が科学的な証明に乗り出しました。「猫の能力を示すことは重要だと思う!」と述べる斎藤先生、果たして猫好きを納得させることができるのでしょうか?研究は、「Scientific Reports」に掲載されています。

Domestic cats (Felis catus) discriminate their names from other words
https://www.nature.com/articles/s41598-019-40616-4

犬のようにはいかない。難しい猫の行動

Credit: pixabay

犬のように「モノの名前を覚えさせ、それを取ってくるように命令する」という実験が行えれば、言語を理解してることを示すのは簡単です。しかし、猫をトレーニングするのは根気がいる作業で時間もかかります。

そこで、4つの単語に続けて猫の名前を同じイントネーションで呼んで、その反応をビデオにとって調べました。しかし、耳をピクッと動かしたり、声に反応して頭を動かしたり、極たまにしっぽを動かしたり、鳴いたりする以上のことはなかなかしてくれません。そっけない猫の研究は難しいようです。「我々を研究するなどおこがましい」とか思っているのかも…。

しかし反応を4段階で点数をつけて評価した結果、他の言葉と名前に対する反応の間に明らかな違いがありました。

具体的に最初の実験で行われたのは、飼い主の声で、猫の名前と同じ長さの似たような単語を聞かせて反応を見ることです。その結果、16匹中11匹の猫で動きの減少がみられました。飼い主が名前っぽい言葉で「騙し」にきていることに慣れていったからでしょう。

しかし9匹の猫で実際の名前が呼ばれたときには、動きの増加が見られました。どうやら、名前が呼ばれたのをわかっているようです。

名前を呼ばれていることには気づいているものの…

次に別の猫のグループに、知らない人の声で同じ実験が行われました。3つ目の実験では、多くの猫と一緒に暮らしている猫に対して、飼い主の声で行われました。すべての実験で、猫たちは「自分の名前」に気づいていることが示されています。

斎藤先生は、猫が「名前」というものを理解しているかはわからないといいます。猫に自己認識があるという証拠は、今の所ありません。ただ、発された音の並びを、報酬や罰と結びつけて覚えているだけかもしれないようです。

しかし、先行研究では、猫は、飼い主による猫なで声に気づいていても、反応するのをめんどくさがる傾向が示されています。また、飼い主と知らない人の声も区別できているのに、あまり気にしていないことも示されているのだとか。

 

今回の実験で、猫は思ったよりも人間からの合図を理解していることがわかりました。ただし、気づいていても反応するかは気分次第。誰が飼い主かということも、猫にはささいなことなのかもしれません。

 

reference: The Guardian / written by SENPAI

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