新種のヒト属の化石がフィリピンの洞窟で発見される!

history_archeology 2019/04/12
Credit: Lannon Harley, ANU
Point
■フィリピンのルソン島にあるカヤオ洞窟で、人類の祖先の遺骨が見つかり、新種であることがわかる
■ルソン島にちなんでホモ・ルソネシスと名付けられた新種は、背が低くアウストラロピテクスに似た特徴を持っている
■東南アジアの島嶼地域で人類が独自に進化した可能性がある

人類進化の舞台は東南アジア?

研究者の国際チームがフィリピンで新種の人類の遺骨を発見し、この地域が人類進化の歴史で重要な役割を果たしたことが示されました。チームの主要メンバーであるフィリップ・パイパー氏は、東南アジアにおける人類進化の知見におけるブレイクスルーが起こったと話しています。

ヒトの新種は、発見されたルソン島にちなんでホモ・ルソネシスと名付けられました。論文は「Nature」に掲載されています。

A new species of Homo from the Late Pleistocene of the Philippines
https://www.nature.com/articles/s41586-019-1067-9

化石は5万年以上前のもので、発見されたのはルソン島のカヤオ洞窟。

発見された化石は、少なくとも二人の成人と一人の子供で、同じ地層から見つかっています。発見されたのは、成人の指や足指、歯の化石、そして子供の大腿骨ですが、とても面白い特徴を持っていることがわかりました。

例えば、見つかった歯はとても小さく、この人類が小さかったことを示しています。しかし、歯の大きさだけで大きさを正確に予測することはできません。もっと正確な身長を知るには、さらなる骨格の発見が必要となります。

Credit:pixabay

一方、指や足の骨は、ヒト族の共通祖先であるアウストラロピテクスに似ていました。しかしアウストラロピテクスが地上を闊歩していたのは、200万年前のアフリカです。

こういった特徴が進化したのは島での生活に適応するためだったのでしょうか?あるいは、200万年前の祖先からの特徴がホモ・ルソネシスへと受け継がれたのでしょうか?さらなる解析が待たれます。

進化における東南アジアの重要性

今回新種の人類が発見されたことで、東南アジアの重要性が増しました。また、多くの島からなっていることで、島ごとの独自進化が起こった可能性もあります。そのため、フィリピンでのヒト族のさらなる新発見が起きる可能性は高く、時間の問題であるとパイパー教授は述べています。

フィリップ・パイパー教授 / Credit: Lannon Harley, ANU

ホモ・ルソネシスは、いくつかの骨格的な特徴をフィリピンから南東にあるフローレス島で見つかったホビットとして知られるホモ・フローレシエンシスと共有しています。さらに、20万年前の石器もインドネシアのスラウェシ島で見つかっており、東南アジアの島に広くヒト族が住み着いていたことがうかがえます。

 

ヒト族の祖先の進化については、アフリカのみで進化したとされるアフリカ単一起源説と、その他の地域でも進化が起こったとする多地域進化説があります。ホモ・ルソネシスがアウストラロピテクス並の小ささだということで、多地域で進化が起こった可能性が高まったといえるかもしれません。あるいは、島に居住することでおこる矮小化の影響で小さくなったのかもしれません。いずれにせよ、人類進化を考える上で興味深い発見といえるでしょう。

人類の起源はアジア? ホモ・エレクトスがアフリカを出た時期、従来の説より25万年早いと判明

referenced: Science Daily / written by SENPAI

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