米国で子どもの自殺が急増!原因はインターネット?

society 2019/04/13
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Point
■米国で自殺行動や自殺念慮で救急来院する子どもの数が、2007〜2015年の間でほぼ倍増したことが判明
■その半数近くは5〜11歳の幼い子どもだった
■精神ケア人材の増員、子どもの自殺への小児科医の対応整備、救急処置後の自殺リスク低減の取り組みが課題

世界的に増加の一途をたどる自殺者数。特に米国では、若年層の自殺者が急増しており、大きな社会問題となっています。

米国の研究チームが行った調査で、米国で自殺行動が原因で救急窓口に運び込まれる子どもやティーンエイジャーの数が、2007〜2015年の間に2倍近くにまで膨らんだことが明らかになりました。その平均年齢はわずか13歳。

しかも状況は加速度的に悪化しており、決しては現状がピークではなさそうです。論文は「JAMA Pediatrics」に掲載されています。

Suicidal Attempts and Ideation Among Children and Adolescents in US Emergency Departments, 2007-2015
https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/fullarticle/2730063

米国では5日間で1人の子どもが自殺

研究チームが用いたのは、疾病対策予防センター(CDC)が収集したデータ。無作為に抽出した米国内の救急救命室300施設それぞれにおける5〜18歳の子どもの救急来院およそ3万件の内容を分析しました。その結果、調査を始めた2007年の時点では約58万件だった自殺行動や自殺念慮による救急来院数が、2015年には112万件にまで跳ね上がったことが明らかになりました。

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この傾向は、1993年から2008年までのデータを分析した別の調査でも示されています。今回、同じ傾向が再現されたことで、当局は危機感をつのらせています。自殺は公衆衛生の大きな関心事の1つであり、10〜18歳の子どもにおける2番目の死因です。自殺念慮が必ずしも命の危険に繋がるとは限りませんが、将来的な自殺行動を示唆する重要な手がかりになることは確かです。

さらにショッキングなのは、自殺行動が原因で来院した子どもの半数近くが5〜11歳の幼い子どもたちだったことです。CDCによる1999〜2015年のデータでは、5〜12歳の子ども1,309名が自ら命を絶ったことが示されています。これは、ほぼ5日間で1人に相当するペース。背筋が凍るような痛ましい数字です…。

ネットいじめの増加や子ども専門の精神科医の不足が状況を悪化か

研究チームは、子どもの自殺急増の原因は明確ではないとしており、複数の要因があることを示唆しています。ただし過去の研究では、自殺で亡くなる子どもは精神疾患を抱えていたり、家族や周囲の友人との関係が緊迫していたりするケースが多いことが分かっています。また、ネットいじめの増加や、子どもや若者を専門にケアする精神科医の不足が、状況をさらに悪化させていることも考えられます。

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研究チームは、地域の精神ケアに対応できる人材の増員、子どもの自殺に対する小児科医の対応の整備、救急処置後の自殺リスク低減への率先的な取り組みの必要性を、強く訴えています。

もし自殺について悩んだら…

翻って日本では、昨年度に自殺した小中学生・高校生の数は250名と、過去30年間で最多となっています。もしこの記事を読んで、誰かに心の悩みを打ち明けたくなったら、下記の相談窓口を参考にしてみてください。

■一般向け相談窓口
いのちの電話(日本いのちの電話連盟)
いのち支える相談窓口一覧(自殺総合対策推進センター)
よりそいホットライン(社会的包摂サポートセンター)
■こどものためのそうだんまどぐち
24時間(じかん)子供(こども)SOSダイヤル(文部科学省)
チャイルドライン 18さいまでの子どもがかけるでんわ(チャイルドライン支援センター)
子どもの人権(じんけん)110番(ばん)(法務省)

 

reference: sciencealert / translated & text by まりえってぃ

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