次があるさ。民間団体で初の月面着陸を目指したイスラエルの宇宙探査機「ベレシート」が着陸失敗

space 2019/04/12
Credit: Reuters
Point
■民間月面探査機「ベレシート」はグーグルのLunar XPrizeに参加した探査機の一つで、コンペが終わっても開発が続いていた
■ファルコン9の衛星打ち上げに便乗する形で、打ち上げに成功し月まで到達していた
■着陸間際にエンジンに不調が起こり、月面着陸に失敗。衝突したものと考えられる

惜しかった。

民間で初めて月面への着陸に挑戦した、イスラエルの月面探査機「ベレシート」がエンジンの不調によって着陸に失敗し、月面へと衝突しました。現在までに月面着陸を成功させているのは、アメリカとロシア、そして中国です。

失敗はしたものの、プロジェクトの創始者は「チャレンジしたことに意味があり、クラッシュに至るまでに得られた経験は貴重で、この結果に誇りを持っている」と述べています。

賞は取れなかったけど…不屈のチーム

ペレシートはイスラエルのNPO団体SpaceILが開発したもので、グーグルが催した民間での月面着陸を競うLunar XPrizeへの参加を目的で始まったプロジェクトでした。

しかしグーグルが設定した締切に間に合ったチームは無く、ベレシートも賞を得ることはできませんでした。しかし、それでも諦めず開発が進められ、ついにスペースX社のファルコン9で、他の衛星に便乗する形での打ち上げに成功したのです。

ベレシートの挑戦の一つは、その低コストにあります。かかった予算は1億ドル。エンジンは1つだけで、小型のスラスター8機で姿勢制御などを行います。メインエンジンで推進力とブレーキの2つの役割をこなす必要があるため、難易度は高いといえるでしょう。

Credit: SpaceIL

便乗して打ち上げることでコストは削減できましたが、そのために月を目指す軌道は複雑になり、到達にかかったのはなんと7週間。月の重力圏に到達するまでに、地球を何周も周回したとのだとか。月までの距離は平均38万kmですが、ベレシートはその15倍もの距離を旅しているのです。

ベレシートは月面着陸後に、着陸点の地磁気を計測し、地球からの測距のための鏡を設置する予定でした。また、月面からの自撮り写真も予定していたようです。

失敗の原因はエンジン不調

着陸プロトコルの前半部分はうまくいっていました。しかし着陸直前にエンジンに不調が生じ、システムがリセットされました。その後数秒で復帰し、コントロールセンターで歓声が上がりましたが、すぐに通信が途絶。

健闘もむなしく、着陸は失敗に終わってしまいました。ただ、ベレシートは着陸前に自撮り写真を撮っており、月面付近での勇姿を見せてくれています。

Credit: SpaceIL

今回の打ち上げに対しネット上では、「イスラエルの誇り」「次回頑張ろう」「一緒に冒険できて楽しかった」など、その挑戦を讃え、励ます声が多く上がっています。

 

今回のベレシートは失敗に終わりましたが、民間による月面開発の最初の狼煙となったことでしょう。ベレシートとは、「最初に」という意味で、聖書の創世記の意味もあるそうです。Lunar X Prizeに挑戦した他の民間団体もそれに続けと開発は続いています。民間探査機が月面を探検する日も、そう遠くないかもしれませんね。

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reference: BBC / written by SENPAI

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