世界で初めて人間の細胞から心臓を3Dプリントすることに成功!

life 2019/04/16
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Point
■イスラエルの研究グループが、ヒトの細胞からなる血管を備えた心臓を3Dプリントで作ることに成功
■多能性幹細胞から分化した心臓細胞と、細胞外組織から作られた「インク」から複雑な形をプリント
■心臓として動かすことと、人間サイズにすることが今後の課題

すごい…3Dプリンタで作られた人工心臓が実用化される時代がすぐそこ。

イスラエルのテルアビブ大学の研究チームが、世界で初めて血管付きの3D人工心臓を作りました。心臓は、患者の細胞から出来ています。これまで研究者たちが成功していたのは、血管を持たない単純な組織だけでした。

細胞や血管、心室、心房が備わった心臓全体の作製・プリントに成功したのは、これが世界で初めて。研究は「Advanced Science」で発表されています。

3D Printing of Personalized Thick and Perfusable Cardiac Patches and Hearts
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/advs.201900344

待望の人工心臓

心臓病は、日本でも男女ともに2番めに多い死因となっています。重篤な心臓病では、心臓移植しか治療法がないことも多いです。しかし、心臓移植のための順番待ちリストは長く、待っている間に多くの方が亡くなられています。

今回作られた3Dの心臓は、うさぎの心臓の大きさしかありません。ですが、同じ技術を使えば人間用も作れると言います。

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患者由来の細胞からできた人工心臓は本人との免疫系と適合

その研究ですが、まず患者から脂肪組織が分離されます。次に、細胞組織と細胞外組織に分けられます。細胞は多能性幹細胞へと再プログラミングされ、細胞外組織はハイドロゲルにしプリント用の「インク」にします。細胞は、このインクと混ぜられて3Dプリントされます。

出来たものは患者固有のもので、本人との免疫系とも適合性があり、血管も備えた心臓パッチとなって、最終的に1つの心臓となります。

Credit:IsraelYoutube

次の挑戦は、作られた心臓を人間のものと同じように動かすことです。最初に動物へ、最終的には人間に移植したいと考えられています。10年以内に、大きな病院に臓器用プリンターが設置され、移植が日常的に行われるようになることが目的だそうです。

患者自身の細胞から移植用の心臓が作れるようになれば、心臓病患者の多くが救われるでしょう。その際、心臓病の原因遺伝子を改変すれば再発も防げます。血管の問題が解決されたのは再生医療には追い風ですね。今後の進展に期待です。

もしかしたら心臓が10個ある無敵キャラをリアルに作るような時代が来るのでしょうか、いや、それはないな。

NASAが心臓を宇宙でつくろうとしている理由

referenced: The Jerusalem Post / written by SENPAI

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